バイオ・ライフサイエンス分野における粒子径分布 〜Analytical Solution Plaza におけるソリューション提案〜

篠崎 陽子,才原 浩司,光成 京子* | |   技術論文

*株式会社堀場テクノサービス

粒子径分布測定装置は,セラミックスをはじめ,電池材料,触媒,顔料,化粧品,食品,製薬など幅広い分野において,研究開発や品質管理目的として使用されている。種々の工業プロセスにおいて,粉体をはじめとして取り扱う粒子の大きさは製品の機能性を特徴づける重要なファクタである。粒子径分布装置は,ナノテクノロジーの分野はもとより,バイオ・ライフサイエンス分野での用途が著しく拡大してきている。特に医薬品開発・製造の過程においては,従来主流であった低分子医薬品はもとより,抗体医薬,核酸医薬,細胞医薬,遺伝子治療など,医薬品モダリティが多様化し,エクソソームやリポソームといった細胞由来のものや薬物送達システム(Drug Delivery System:DDS)等の評価ニーズが高まっている。バイオ医薬品は,より複雑な分子構造を有し,分析試料に対する損傷の程度などを考慮しながら分析・評価しなければならない。よって,従来通りの分析原理や手法が適応できない場合があり,異なる分析アプローチを検討する必要がある。低分子医薬品に関しても,これまでとは異なる尺度での評価,迅速検査法やハイスループットに対する要求が高まっており,これらを満たす分析装置・アプリケーションの提案が必須となっている。HORIBAグループでは測定対象に応じた複数の粒子径分析技術を有しており,粒子分析の幅広いソリューションを提供している。本稿では,粒子径分析技術の中でも特に,近年注目されている動的光散乱技術を取り上げ,バイオ・ライフサイエンス領域でのアプリケーションを紹介する。