C-反応性タンパク(CRP)測定の臨床的意義

巽 典之* 津田 泉* 福森達郎* 太田健介* | |   19

*大阪市立大学

CRPはC多糖体と沈降反応を起こすことからC反応性蛋白と呼ばれている。ヒトは炎症を起すとCRPが急激に増加し病体の沈静化とともに速やかに減少する。その産生機序と生理機能は広汎なサイトカインネットワーク等の刺激によることが示されており、血中濃度への関心もさる事ながら炎症部位への局在沈着が起こる事から非特異的免疫の役割を負っていると考えられる。その測定法には、いわゆる命名法に示されるようにC-polysaccharideとの特異的沈降をみる方法も過去には用いられていたが、今日ではCRPの抗原性が高いことを利用した抗体の商業的産生により少なからず測定原理の中枢部分には免疫測定法が用いられている。CRPの測定は一般化しかつ高頻度に検査されているにもかかわらず、WBCやSAAなどとの関連を考える時、利用法が単調である。発生機序も生理作用も全く異なるこれらの検査を病相/病期との関連で説明するために更に高度利用されることが望まれ、そうなればCRP検査の重要性が再認識されるであろうし行政上の配慮も行われることを期待する。