湖沼の水質観測と可搬型水質モニタ

山敷庸亮*1 小林剛士*2 | |   21

*1財団法人国際湖沼環境委員会、*2株式会社堀場製作所

世界の湖沼では富栄養化や化学物質汚染が共通の問題とされている。これらの環境問題に取り組む上では、基礎となる水質指標の正確な把握が必要不可欠である。本稿では湖沼の水質評価に必要とされる測定項目、これらの中でも重要な項目を現場で測定できるマルチ水質モニタリングシステムU-23の概要さらにU-23を使って琵琶湖とアルゼンチン・サンロケダムでの実測例を紹介する。実測結果からアオコの発生しているサンロケダムでは湖底の溶存酸素が著しく低下していることがわかる。U-23の測定結果から琵琶湖の湖底では溶存酸素濃度が低下していないが、今後も継続して測定する必要がある。