超高エネルギー・パルスレーザの出力を倍増させる多層膜誘電体グレーティング

Bruno Touzet* | |   27

*Jobin Yvon S.A.S

世界中でチャープパルス増幅法(CPA) を使った超高エネルギー・パルスレーザの研究開発が進められている。高エネルギー化達成のために、パルスコンプレッサに使われるグレーティングの効率アップと損傷が発生する閾値レベルを高めることが求められている。ジョバンイボン社(JY)では従来から金コーティングしたグレーティングを製作してきたが、更なる高性能化を狙ってイオンエッチング法による新しい多層膜誘電体(MLD)グレーティングを開発した。本稿では試作したMLDグレーティングの構造、製作方法及びCPAへの実装評価結果を紹介する。この結果、ワンパスあたり96 %の効率を持っており従来の金コーティンググレーティングに比べ損傷に対する閾値レベルが2倍も高いことを確認した。