一般論文: パルススパッタリングに伴う,高周波グロー放電分光分析の技術革命

Sofia GAIASCHI*1,Patrick CHAPON*1,Akira FUJIMOTO*2,Tatsuhito NAKAMURA*3 | |   50

*1 HORIBA FRANCE SAS, *2 HORIBA TECHNO SERVICE Co., Ltd. *3 HORIBA, Ltd.

近年,高周波グロー放電発光分光分析装置は,固体材料の表面から内部に向かって,深さ方向元素分布を分析する手法と認知されてきた。パルススパッタリング機構を有した高周波供給電源系の搭載により,深さ方向の分析分解能が向上し,熱ダメージなどに弱い材質の分析における精度が向上した。これに留まらず,走査型電子顕微鏡観察の試料表面前処理として,プラズマイオンエッチングによるクリーニング処理にも応用され,アプリケーション領域の拡大を可能にした。本章では,このパルス型高周波グロー放電発光分光分析装置の特徴を解説する。