特集論文: 直挿式レーザ塩化水素計 TX-100

井戸 琢也* | |   50

* 株式会社 堀場製作所

近年,レーザガス分析計は清掃工場や石油化学プラントなど,様々なプロセスへの導入が進んでいる。その理由は,計測時にガスのサンプリングを必要としないため,その応答性能を活かしたプラントの高効率運転が可能なためである。しかしながら,すでに広く使われている,クロスダクト方式のレーザガス分析計は設置場所に制約があるだけでなく,分析計の校正時に煙道から分析計を取り外す煩雑な作業が必要になるなど,導入に際して様々な課題がある。その状況に対し,弊社はこれらの課題を解決出来るプローブ方式の光学系を採用した,直挿式レーザ塩化水素計「TX-100」を国内で初めて実現した(*1)。本稿においてはその開発した装置の原理,特徴ならびに清掃工場での測定例を紹介する。
*1: 2018年8月自社調べ