測っちゃいました Vol.9 牛乳に含まれるカルシウムの測定

測っちゃいました Vol.2では牛乳の種類による成分の違いについて紹介しましたが、今回は牛乳に含まれるカルシウム濃度について取り上げたいと思います。

HORIBAのコンパクト型水質計LAQUAtwinでは、微量な試料でも先端のセンサで素早く簡単に水質を測定することができます。今回はLAQUAtwinのカルシウムイオンメータCa-11(以下、Ca-11)を使用して牛乳のカルシウムを測定してみました。

一般的な牛乳のカルシウム含有量は100 gあたり110 mg程度で、濃度にすると1100 ppmです。しかし、Ca-11に牛乳をそのまま滴下して測定すると、表示された濃度は98 ppmでした。なぜこんなにも値が異なるのでしょうか?

原因は、Ca-11では牛乳に含まれる「カルシウムイオン濃度」を測定している、という点にあります。牛乳に含まれるカルシウムのうちカルシウムイオンに電離しているのは一部です。そのため、牛乳に含まれるカルシウム濃度の値よりCa-11で検出されたカルシウムイオン濃度の値が低かったのです。

なお、牛乳に希塩酸を加えてカルシウムをすべてイオン化して希釈倍率で換算すれば、Ca-11を使用して牛乳に含まれるカルシウム濃度の全量を測定できます。

このように、対象の物質と分析・測定の目的に応じて分析・計測機器や分析手法を選定することは、とても重要なのです。

 

<参考資料>

アプリケーションノート LAQUAtwin 「牛乳と乳飲料に含まれるカルシウム濃度測定」

horiba_Calcium_180817

 

コンパクトカルシウムイオンメータ LAQUAtwin
コンパクトカルシウムイオンメータ LAQUAtwin