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医薬品向けの透過型ラマン分光分析装置を実用化

2010年8月29日


医薬品向けの透過型ラマン分光分析装置を実用化
品質管理プロセスで有効成分含有量を迅速・簡便に測定

当社子会社ホリバ・ジョバンイボン社(仏国)は、医薬品の研究開発・品質管理で有効成分含有量を測定する「透過型ラマン分光分析装置」を世界で初めて実用化しました。測定方法に試料に照射したレーザー光を透過するラマン光を分光させる手法を用いて、非破壊で前処理もなく有効成分含有量を測定できます。そのため、多数の検体を測定した場合でも、従来の所要時間の10分の1 (10秒以下/1検体)で測定でき、新薬の開発において迅速化・簡素化に貢献すると期待しています。今後、ユーザーニーズを盛り込んで製品化を目指します。

有効成分含有量の透過型ラマン分光分析

フランス子会社で分光分析技術において当社グループの中核を担う、ホリバ・ジョバンイボン社が透過型ラマン分光分析装置を実用化しました。試料にレーザー光を照射し、透過したラマン光(散乱光)を分光することで、特定のスペクトルを検出します。そのスペクトルを分析することで、錠剤に含まれる有効成分の含有量を測定します。長年培った分光分析技術を応用し、新たに透過型ラマン分光分析装置用の分光器を開発したことで、世界で初めて透過型ラマン分光を用いた製剤含有量の測定を可能にしました。

製剤含有量の測定ニーズ

製剤中の有効成分含有量は、製剤の品質や有効性、安全性を安定させるために不可欠とされ、研究開発の段階だけでなく医薬品として認定された後の品質管理でも必須項目に挙げられており、重要な管理指標のひとつです。一般的に製剤含有量の測定には、液クロマトグラフィーや近赤外線分析が用いられていますが、いずれも試料を砕くや溶液で溶かすなどの前処理が必要なため、時間が要すると同時に試料を破壊・汚染してしまいます。そのため、短時間でしかも非破壊方式のプロセス改善の装置に対するニーズがありました。そこで、レーザーを当てて透過した光を分光分析するラマン分析方式を使い、ほとんどの薬の大きさに対応する試料室に薬を入れるだけで、前処理なしに破壊することなく、さらに安全に製剤含有量を測定できる、医薬品分野専用装置を実用化しました。9月より、この試作機レベルの装置を複数のユーザーのフィールドで試験的にご使用いただき、その際にお寄せいただいたご要望を盛り込むことで、より使い勝手の良いレベルにあげ、最終型の製品化を目指します。

主な仕様

励起波長: 785ナノメートル
レーザー直径:6ミリメートル
測定時間: 1検体あたり10秒以下
外形寸法: 650 W×720 D×920 H(ミリメートル)