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次世代排ガス計測システムの世界標準へ 世界で最もクリーンな超低濃度排ガス車用の試験装置を米国EPAから受注

2003年8月30日


当社の米国子会社ホリバ・インスツルメンツ社(本社・カリフォルニア州、社長・齊藤 壽一)は、このほど米国EPA(Environmental Protection Agency/連邦環境保護庁)から次世代型の排ガス計測試験装置を受注しました。受注した物件は、現在世界で最も厳しい排ガス規制に適合する超低濃度排出ガス車を、正確に計測できる試験設備です。次世代型の排ガス試験装置がEPAに初めて導入されたことで、世界中の自動車メーカー、研究機関から注目を集めています。

最近の低公害車両から排出されるガスは、非常に低濃度となっています。成分によっては都市の大気よりクリーンな排ガスを排出する車両も登場しているため、大気より少ない排ガス中の対象成分をいかに正確に計測するかが、世界の自動車メーカーや研究機関の課題となっていました。

今回、受注に成功した排ガス計測装置は、米国EPAの国立排ガス研究所(National Vehicle and Fuel Emissions Laboratory「NVFEL」(ミシガン州アナーバー))の、超低濃度排ガス車用試験設備で使われるものです。世界の排ガス規制当局として最も権威ある機関の一つである米国EPAへの納入が決定したことは、性能はもちろん信頼性やサービスなど多岐項目で認められたためで、計測器メーカーとして大変名誉なことです。特に今回の対象は、現在世界で最も厳しい排ガス規制に適合する車を計測できる、最先端の設備で、当社製品のガス計測能力が超低濃度排ガス車の計測に適応するものとして高く評価されたこととなります。

また今回納入する計測装置には、米国EPAが超低濃度排ガス車の計測のため、現行の方法(CVS法)に加えて2001年に新しく認証した次世代の計測方法(BMD法)を採用しています。米国EPAが新しい計測方法を認証したのは、排ガス規制をスタートしてからの約30年間で初めてのことです。このたびの新しい計測方法には、排ガスの採取方法(サンプリング)を新たに開発した、当社の方式(特許取得済み)が使われました。


今回、米国EPAの試験設備として当社グループ製品が採用されたことは、次世代型排ガス計測システム選定を検討している世界中の自動車メーカーや研究機関へ具体的な指針を示すものと期待します。
当社グループは、エンジン排ガス計測分野で40年近く開発・営業・サービスを続けてきたことにより、各自動車メーカー、認証機関の信頼を獲得し、現在8割の世界シェアを誇ります。今回の超低濃度排ガス車用試験装置の受注は、当社グループの総力をあげての新たなシステム提案が認められたもので、そのブランド力、技術力、サービスを含めたトータルでの信頼性を評価された結果と受け止めています。エンジン排ガス計測分野、超低濃度排ガス計測装置の市場において、従来からのシステムと同様に世界標準となることを目指します。

参考資料

<ご参考>

  • 今回受注した製品

    • エンジン排ガス測定装置
    • 排ガスサンプリング装置
    • シャシダイナモメーター(4WD対応)
    • 計測制御用ソフト

  • 排ガス規制の動向
    日本・米国・欧州において、排ガス規制は1970年代から厳しくなり、現在では約30年前と比較して排出される有害物質の量は、100分の1以下になっている。

    [日本]
    2000年から、国土交通省の新排出ガス規制(低排出ガス認定制度)が施行されている。
    現在の基準値に対して(昭和53年規制値)、炭化水素(HC)や窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)等の有害物質を25%、50%、75%低減している自動車をそれぞれ「良−低排出ガス車(☆)」、「優−低排出ガス車(☆☆)」、「超−低排出ガス車(☆☆☆)」に認定している。

    [米国]
    世界的に有名な排ガス規制当局として、EPA(連邦環境保護庁)とCARB(カリフォルニア大気資源局)がある。
    EPA−カリフォルニア州と一部東部の州以外の国内全土に規制を制定する規制当局。Tier1、Tier2規制等がある。今回の受注物件はTier2規制の中に該当し、カリフォルニア州のSULEV規制と同等の数値レベルで、世界で最も厳しい。
    CARB−カリフォルニア州独自の規制を制定する規制当局。
    LEV(Low Emission Vehicle)、ULEV(Ultra-Low Emission Vehicle)、SULEV(Super Ultra-Low Emission Vehicle)等がある。
    SULEV基準は走行距離1マイル当たりの排出ガス量が、炭化水素(HC)で0.01グラム、窒素酸化物(NOx)で0.02グラム。それぞれLEV基準より9分の1、12分の1の値で、世界で最も厳しく、その耐久距離も12万マイルとされる。

    [欧州]
    EU全体の環境施策として、EURO規制が段階的に制定されており、欧州全土に規制を制定している。現在の規制として2000年開始のEURO3、2005年開始のEURO4があげられる。

  • 排ガスの採取方法(BMD法とCVS法)
    排ガス規制の値は、重量で定められおり、排ガス中の成分濃度と排ガス流量の2つを計算して重量値を求めている。排ガスの採取方法(サンプリング)は、成分が低濃度になるほど、正確な測定を行ううえで、非常に重要なポイントになる。
    BMD法−(Bag Mini‐Diluter)透明のバッグに排ガスを採取する方法。排ガスを部分採取し、一定比率で希釈する。流量制御に、グループ会社エステックのマスフロー技術を活用しており、高精度かつ安定的な希釈が可能。超低濃度成分の計測に向いている。
    CVS法−(Constant Volume Sampler) 定容量試料採取装置。
    排ガスを全量採取、一定流量に希釈。従来からの方法として広く使われている。