土がふわふわ……
一歩足を畑に踏み入れた瞬間、思わす声に出してしまうほど、ふわふわで温もりを感じる土。「土壌中の微生物を壊さない工夫をしています。そのため土がふわふわに、水はけも良くなる」と食まちアグリケーション代表の渡邉様。滋賀県にある渡邉様の畑では年間約100種類の野菜が栽培されています。 「おいしくて安全な野菜を継続して届ける」そんな“おもい”から、渡邉様の畑で行われる土壌分析には、HORIBAのコンパクト水質計LAQUAtwin(pHメーター、電気伝導率計)をご利用いただいています。
栽培方法について基準や方法があれば教えてください
私たちは、硝酸態窒素が少ない野菜を作っています。そのために土づくりからpHメーターや電気伝導率計の計測値で施肥量を判断し、出来上がった野菜は収穫前に硝酸イオンメーターLAQUAtwin(NO3−)で測定しています。ただ、野菜ごとの硝酸態窒素を減らす方法など、明確な基準や情報が日本にはなく、正解がわからないことが一番困っていることです。お客様においしくて安全な野菜を届けることを一番に考えて、日々試行錯誤を繰り返してデータ取りをしています。
「農業」、「食」へのおもいを教えてください
小さくても継続していける強い農業経営をめざしています。実現するための方法は色々ありますが、栽培については今実施しているデータ取りを継続し、まずは自分たちがきちんと理論的に理解していくことが重要です。データをとることで見えてくることや、最初に思っていたことと違うということがわかってきます。常に軌道修正しながら「はかる」「見える化」することを強みにしていきたいです。私たちもまだまだ勉強中なので、同じ志の仲間や関係者の皆さんとともに学んでいけたら。 そして、いずれは蓄積したデータを集計して、誰もが参考にできる「おいしくて人や環境にやさしい農業」の指標と判断基準が作れたらいいなと考えています。
また、もともと食と農業、農家と消費者をつなぐ、ということをやりたいと思っているので、食の部分にも事業を拡大していきたいと思っています。現在、ラクト山科にある無印良品さんでは、「作る人と消費者をつなぐ場所」というコンセプトに共感しオープン当時から野菜の販売だけでなく、野菜のレシピ提供やキッチンカウンターというオープンキッチンで実演するという仕事をしています。これからもキッチンカウンターを通して野菜の魅力を知ってもらい、農業の現場や生産者の“おもい”もお伝えしていきたいと考えています。 新たに、農業と並行して出張料理の事業もスタートさせ、福祉施設や企業へのご飯作りにかかわっています。今後ますます食事に課題をもった方が増えると思いますし、ニーズはあると思います。農家の強みを活かした調理加工の分野を充実させていきたいです。
食まちアグリケーション代表 渡邉様
「美味しい」に貢献しているHORIBAの「はかる」技術
土壌分析にはHORIBAのコンパクト水質計LAQUAtwin(pHメーター、電気伝導率計)を使用いただいています。測定方法は植え付け前に1回、ブロックごとに土壌のpH、電気伝導率を測定して、畑の状態を確認することで、次に肥料をどれくらい入れるかの判断材料にされています。スコップで畑の地表から30cm下の土を掘って、畑の四方と中心5地点の土を採取し、精製水を入れて振り、上澄み液を測定するという手順で測定されています。
「計測分析は私にとっては苦手なことですが、コンパクト水質計LAQUAtwin はそういう苦手な人でも1セットを畑へ持って行って、さっと測れる手軽さがいいですね。精度が良く、トラブルや使いにくさもありません。」と渡邉様にコメントをいただきました。