京都ハンナリーズと “ 共に、登る。” ―澁田選手、鈴木選手がご来社されました!ー

2023-24シーズンを9名の新規加入選手を迎えてスタートした京都ハンナリーズ。シーズン前半は、善戦及ばず悔しい結果が続きましたが、12月の宇都宮ブレックス戦での勝利を契機に、年明けには琉球ゴールデンキングス、川崎ブレイブサンダースといった強豪チームを相手に勝利を収めました。
勝利への機運が高まるなか、京都ハンナリーズのプラチナパートナーであるHORIBA本社に、澁田 怜音(しぶた れおん)選手と鈴木 悠介(すずき ゆうすけ)選手が表敬訪問のためご来社されました。シーズン前半戦の振り返りと、後半戦に向けての抱負を両選手に伺いました。
インタビューは社員を代表してHORIBAバスケットボール部員の2名が行いました。

澁田 怜音 選手 [背番号 34、PG(ポイントカード)]

年明けから(川崎、琉球に勝利)少し勝率が上がってきていますね。きっかけとなった改善策を教えてください。

澁田選手)今シーズンから新たに9名の選手が加わり、去年とは異なる全く新しいチームになりました。シーズン明けてすぐには完璧なチームづくりはできません。時間をかけながら少しずつ自分の役割、勝ちパターンを模索して、ようやくこの年明けから勝ちの道筋がみえてきました。そうしたことが強豪チームに勝利を収め、勝率が良くなってきたことにつながっていると思います。

鈴木選手)シーズン途中でステイシー(ステイシー・デイヴィス選手、11月に契約解除)が抜けたこともあり、チームの立ち上がりは遅れましたが、シェック・ディアロ選手がロイ・ラナ ヘッドコーチのやりたいことを理解して、チームの他の選手にそれを伝えてくれたことでチームが機能し始めました。そうして強豪との接戦を勝ったことが自信となり、次の試合につながっています。ただ、下位チームに負けているのは反省すべきところなので、そこを勝ち切れるようになったらもっといいチームになれると思っています。あと残り21試合ありますが、1勝でも多く勝ちを収めたいです。

今シーズンはディフェンスに力を入れているように感じます。特にスクリーン※1への対応など、スペーシング※2といったところの連携はすごいと感じています。皆さんの連携がうまくいっているように見えるのですが、どのような練習をされて、どのようなことに気を付けられているのでしょうか?

澁田選手)ディフェンスに関していうと、基礎的なところを重視してやっています。選手同士のコミュニケーションの取り方、単純なディフェンスの強度といったところで、身体をぶつけたり、間合いを詰めて相手に圧力をかけたりといった基本的な動きを突き詰めて練習をしています。僕はこれまでBリーグで5チームをわたってきていますが、京都ハンナリーズでは、一番細かく且つシンプルにディフェンスの指摘をコーチから受けています。

鈴木選手)ロイヘッドコーチのディフェンスルールというのがあります。それを全選手にヘッドコーチが伝えているので、全員が同じ意識で戦えていると思います。試合後に振り返ると、ダメだったところが自分でもわかるくらいにロイヘッドコーチの考えはチームに浸透しています。アシスタントコーチからの的確な指摘も助けとなって、ディフェンスの一貫性がとれていると思います。

直近の敗戦2試合(川崎戦と名古屋戦)では、ゾーンディフェンスを敷かれた時やハンドラー※3にトラップをかけられた時に為す術なくターンオーバー※4やタフショット※5で終わるオフェンスを何度も観ましたが、ここに対してどんな対策をされていますか? オフェンスがうまくまわせていないところを、残り試合で相手チームがついてくるのでは?と懸念しています。

澁田選手)的確なご指摘をありがとうございます(笑) 自分たちもそこが課題だと思っています。中心選手である岡田侑大選手に対して相手はマーク、プレッシャーをかけてくる、そこでアドバンテージが取れなくなったときに得点されてしまっています。ヘッドコーチの求めるバスケットを遂行するのが大前提ですが、この課題の打開策として、まずは岡田選手以外の選手の得点力が大事になってくると思います。3ポイント(シュート)の決定率を上げることが、選手が考えて行動に移せる第一歩だと考えています。

鈴木選手)ターンオーバーは誰か一人のせいではありません。例えば、侑大がはめられてターンオーバーしても、それは周りが動いていないからパスを出すところが無いということ。僕はビッグマンなので、ゴール下を守る役割を担っていますが、いいタイミングでスクリーンをかけないから(敵の)トラップに引っ掛かるのだと自覚しています。オフェンスの精度を上げることはもちろん、ロイヘッドコーチの言ったことをまずやって、それがだめだったらまた次に出される策をしっかり遂行できる力をつけていきたいですし、5人でプレイしているので策を遂行するためにチーム内の助け合いが大事だと思っています。

ハンナリーズの鈴木選手、澁田選手を前に緊張が走るHORIBAバスケット部所属の鈴木(左)と岡田(右)。 バスケット部ならではの視点で繰り出される質問に対し、両選手ともとても丁寧に答えてくださいました。

シーズン前半を終えて、今感じておられるチームが抱えている課題について教えてください。

澁田選手)日本人の得点力を伸ばし、さらにディフェンスのシステムでどう相手の得点を下げるかが課題です。昨シーズンに比べてディフェンスのシステムが良くなりましたが、まだ失点が多くロイヘッドコーチのやりたいバスケットを100%表現しきれていません。正直、シュートは入らないこともあります。実は世界のトップ選手でも4割決めたら良い方との統計があり、6割は外すものだと考えるとディフェンスでどうアドバンテージがとれるかが重要になってきます。

鈴木 悠介 選手 [背番号15、PF(パワーフォワード)]

ロイヘッドコーチがめざすバスケットとは?

澁田選手)単純な1対1での強度は最初に求められます。どのチームにもピックアンドロールといって、PG(ポイントガード)に対してビッグマンがスクリーンをかけるプレイがあります。そこでずれができてしまうので、そこのずれをどう直すかというところに重きをおくコーチです。そのずれを2人で解決するのか、3人目を入れて解決するのかというとことを、相手選手で使い分けたり、対戦チームで使い分けたりしているので、そこがロイヘッドコーチの思惑通りうまく機能するようにチームの対応力を高めていくことが必要です。
 

チーム内のコミュニケーションがますます重要になりますね。

鈴木選手)コミュニケーションは大事です。9名のメンバーが変わったので、連携する場面で「阿吽の呼吸」というのははまだありません。大事なのはお互いにちゃんと言いたいことを伝えること。外国籍の選手に勢いよく言われたから自分は言わないというのではなくて、自分はこう動いて欲しかったというのをちゃんと伝えることが大切だと思います。お互いに話し合えば理解が深まっていくと信じています。ちゃんと自分の意思を発言していくこと、話し合いの場をつくることが大事です。

シーズン後半に向け、それぞれの抱負を聞かせてください

澁田選手)僕は岡田選手のバックアップとして試合に出ることがほとんどです。ベンチで見ていると、ミスの仕方や得点できていないシチュエーションがよくわかります。攻め方やフォーメーションに対する指示の仕方は一人ひとりに色がでてきますので、僕と岡田選手でうまく差別化できれば相手も守りづらいし、攻め方にもバリエーションが増えると思います。また、僕はチームのなかで一番身長が低いですが、一番スピードがありますので、スピードを活かした強弱のある試合運びをしていきたいです。

鈴木選手)僕は外国籍の選手とポジションが被るため、なかなかプレータイムに恵まれませんが、チャンスはいつか来ると思っています。日々の練習でアピールして、いざ試合に出た時にしっかり勝っていけるように 残りシーズンを戦っていきます。チームとしては勝利の後に大差の負けをしないように頑張ります。
 

ハンナリーズ・ブースターへのメッセージをお願いします。

澁田選手)今回パートナー企業様を表敬訪問して、京都ハンナリーズをたくさんの方にサポートしてもらっていることを実感しました。自分たちにできるのは試合に勝つこと。コートで皆さんに恩返しをしていきたいので、試合を観に来てください。試合会場にお越しいただくことでバスケットの楽しさを肌で感じてもらえると思いますし、自分たちもプレイを通して色々なことを伝えられると思います。

鈴木選手)チームスローガンである “共に、登る。”を試合会場で皆さんと分かち合いたいので、残りシーズン全力で頑張ります。


澁田選手、鈴木選手)これからも応援をよろしくお願いいたします。
 

インタビューを通して、チーム力の高まりを感じ後半戦への期待感が膨らみます。澁田選手、鈴木選手の残りシーズンのご活躍が楽しみです。 HORIBAは2011年よりパートナー企業として京都ハンナリーズを応援してきました。さらなる高みをめざし挑戦を続ける京都ハンナリーズをプラチナパートナーとして応援していきます。

(インタビュー実施:2024年2月16日)

注釈

※1 スクリーン:オフェンス側が使う味方を攻めやすくするプレイを指し、ディフェンスの動きを阻害してプレッシャーを減らすこと
※2 スペーシング:スケットボールの戦術の一つで、オフェンス側のボールを持っていない4人の選手が自チームの有利になるポジションを取るための動きのこと
※3(ボール)ハンドラー:司令塔やプレイメーカーを指す
※4 ターンオーバー:オフェンス側のミスを指し、シュートミス以外で相手に攻撃権が移る原因となったプレイのこと
※5 タフショット:ディフェンスに厳しくチェックされている状態や体勢を崩している状態で簡単に決めることができないシュートのこと 
 

関連サイト

京都ハンナリーズ2023-24シーズン開幕 ~HORIBAスペシャルデー開催~

京都ハンナリーズ オフィシャルサイト