*HORIBA Instruments Incorporated
飲料水処理に利用される淡水源への油流出は, 処理施設や環境, そして消費者の健康に深刻な影響を与える可能性がある。多くの燃料や油流出成分の大部分は水には溶けないが, ベンゼン, トルエン, エチルベンゼン, キシレン(BTEX)や多環芳香族炭化水素(PAHs)の中でも一部の低分子量成分は, 水に溶けて素早く広がる。これらの成分は蛍光を発する性質を持っており, HORIBAの特許技術であるA-TEEM技術を用いることで, μg/Lレベルでの検出が可能となり, 油拡散が起こる前に警告を発し早期に対処することができる。水中に天然や人工の有機物(DOM)がmg/Lレベルで存在していても, A-TEEM測定で試料に吸収された蛍光に内部フィルター効果(IFE)補正を行うことにより, これらの化学物質を高い精度で識別し正確に測定することができる。A-TEEMでの検出限界性能は, 発がん性物質であるベンゼンが, 世界保健機関およびアメリカの環境保護庁によって, それぞれ10μg/Lおよび5μg/L以下に規制されている例からもわかるように有益である。本稿では、アメリカ材料試験協会(ASTM)が新たに公開した標準試験方法D8431-22に関する背景と分析法についてまとめている。
