デジタル化で築く“研究室の未来”:日本の強みを世界へ

一杉 太郎* | |   技術論文

*東京大学 大学院理学系研究科 化学専攻 教授
東京科学大学 物質理工学院 応用化学系 特任教授
博士(工学)

マテリアル研究やライフサイエンス研究における,実験室のデジタル化が急速に発展している。機械学習やロボット技術を活用した自動・自律実験システムの開発が進められており,これにより研究の効率化と新たな発見が望まれる。特に,日本の理化学機器企業やロボット産業の強みを活かし,世界に貢献することが期待されている。研究者と企業が協力し,共通のビジョンを持ってデジタル化を推進することが重要であり,新しい研究スタイルや新材料の創出が可能となる。そして,データの共有,標準化の推進,人材育成などが今後の課題である。