マラリア撲滅に向けた取り組み:血液検査データの機械学習によるマラリア スクリーニング機能の開発

中谷 仁* | |   技術論文

*株式会社堀場製作所

現在もマラリアは多くの国で流行している。2023年の感染者数は2億6,300万人,死亡者数は59万7,000人に上っており,SDGsのターゲットの一つとして,2030年までのマラリア撲滅が掲げられている。重篤化や感染拡大の防止のためにはマラリア感染の早期発見による早期治療が必要であるが,初期症状が軽度であることが多く,発見が遅れてしまうことがある。もし臨床現場にて一般的に行われる血液検査によって,マラリアのスクリーニング(病気の可能性を示唆する,確定診断ではない検査)が可能になれば,見逃しを減らすことができる。そこで,自動血球計数装置Microsemi LC-667G CRPにおいて,全血球計算(以下CBC)とC反応性蛋白(以下CRP)定量を用いて行うスクリーニング機能を開発した。本稿ではマラリアが血液に及ぼす影響と,データを利用してその傾向を検出する機械学習モデルの開発について述べる。