測っちゃいました Vol.11 タコの墨とイカの墨②

前回は、タコの墨が料理にはほとんど使われない理由、そしてタコの墨の味についてご紹介しました。今回は、タコの墨とイカの墨の違いをもう一つご紹介したいと思います。

イカやタコは敵から身を守るために墨を吐きますが、実はそれぞれの墨の役目が異なります。
イカの墨は、吐き出されてもあまり拡散せず、体と同じくらいの大きさにとどまり、分身のようになって敵の目をそらす役割を果たします。一方、タコの墨は吐き出されるとすぐに水中で拡散し、煙幕となって敵の視界を遮る役割を果たします。

これは、イカの墨とタコの墨では粘性を増す成分(多糖類や油分)の含有量が異なり、若干イカの墨の粘性の方が高いからです。墨の成分、吐き出し方や量、場所といった違いで、分身となるか、煙幕となるかが分かれると推察されています。

成分の違いは、新鮮なタコとイカを丁寧に解剖してそれぞれの墨を正確に採取し、FTIRで測定することでわかります。ただし、サンプルの鮮度が低いと分解したり、変質したりして、不正確な結果が導き出される可能性があります。
分析によって、目に見えない様々な事がわかります。ただし、そのためにはサンプリング方法や分析手法が適切であることがとても重要ですね。

 

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