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第2回の『堀場雅夫賞』受賞者決定/授賞式は10月17日

2005年7月21日


当社は、「分析計測技術」に関する国内外の大学または公的研究機関の研究開発者対象の奨励賞として昨年創設した『堀場雅夫賞』の第2回受賞者をこのほど決定しました。今回の選考テーマは、“赤外線計測”です。本年4月から5月にかけて公募し、海外含め32件の応募がありました。今回テーマの“赤外線計測”分野で権威の先生など9名で構成する審査委員会が、将来性や応募研究の独創性やユニークな計測機器への発展性に重点を置いて評価し、以下の3名に決定しました。授賞式ならびに受賞者と学究界からの参加者とのセッションなどを、昨年の第1回と同様に、2005年10月17日(月)京都大学 芝蘭会館で行います。

<受賞者と受賞研究内容>

  • 関西学院大学 理工学部 博士研究員 佐藤 春実(サトウ ハルミ)氏(36歳)
    受賞テーマ『赤外分光法とX線回折法による生分解性高分子のC-H・・・O水素結合の研究』
    ─“弱い水素結合”が結晶構造安定化と熱的挙動に果たす役割─
  • 日本大学 生産工学部・応用分子化学科 助教授 長谷川 健(ハセガワ タケシ)氏(39歳)
    受賞テーマ『多角入射分解分光法:仮想光概念を利用した計測法の構築』
  • 大阪大学大学院 生命機能研究科 助教授 井上 康志(イノウエ ヤスシ)氏(41歳)
    受賞テーマ『近接場ナノ振動分光学の開拓研究』



参考資料


[第2回 堀場雅夫賞 審査委員会 委員一覧](敬称略、順不同)
名誉審査委員長:堀場 雅夫(堀場製作所 最高顧問)
審査委員長  :堀場 厚 (堀場製作所 代表取締役会長 兼 社長)
審査委員   :川崎 昌博 京都大学 地球環境学堂
        工学研究科分子工学専攻 教授
        尾崎 幸洋 関西学院大学 理工学部化学科 教授
        斉藤 光徳 龍谷大学 理工学部電子情報学科 教授
        舟窪 浩  東京工業大学 大学院
              総合理工学研究科物質科学創造専攻 助教授
        南 茂夫  大阪大学 名誉教授
        Prof. Ronald K. Hanson, Mechanical Engineering Faculty
              of Thermosciences, Department of
              Mechanical Engineering, Stanford University
        Prof. Giuseppe Zerbi, Material Science, Politecnico
              of Milano, Department of Industrial Chemistry
              and Chemical Engineering,
        足立 正之 当社 エンジン計測システム統括部
              統括部長 工学博士
        内原 博  当社 分析センター センター長 工学博士

【受賞テーマについて】

  • 関西学院大学 理工学部 博士研究員 佐藤 春実 氏

    赤外分光法とX線回折法による生分解性高分子のC-H・・・O水素結合の研究」─“弱い水素結合”が結晶構造安定化と熱的挙動に果たす役割─

    生分解性高分子であるポリヒドロキシブタン酸(PHB)の結晶構造や熱挙動を赤外分光法とX線回折法を併せ用いて研究した。その結果、PHBの結晶構造中にC-H・・・O=C相互作用が存在することを世界で初めて見出した。このC-H・・・O=C水素結合が結晶構造の安定化や共重合体の高結晶化度への重要な役割を果たしていることを明らかとし、PHB結晶構造のモデルを提案した。

  • 日本大学 生産工学部・応用分子化学科 助教授 長谷川 健 氏

    「多角入射分解分光法:仮想光概念を利用した計測法の構築」

    物質間の界面の特異的な分子層や界面吸着種を赤外分光法で分子配向解析を確立した研究である。特に赤外多角入射分解分光(赤外MAIRS)法は光学の常識を一新する、まったく新しいコンセプトである。赤外MAIRS法の新規開発・解析手法の構築は、ソフトマテリアル(LB膜や有機EL膜など)材料の構造解析に非常に役立つことが期待できる。

  • 大阪大学大学院 生命機能研究科 助教授 井上 康志 氏

    「近接場ナノ振動分光学の開拓研究」

    赤外ラマン分光法に近接場光学技術を導入した先駆的な研究である。とくに、波長可変の高輝度赤外レーザーと先端に微小開口を有する原子間力顕微鏡用カンチレバーを用いた赤外近接場顕微鏡、および、金属ナノ探針を用いた近接場ナノラマン顕微鏡の考案、試作の結果は、波長よりも微小な領域の顕微観察・分析を可能とし、さらに新たなラマン効果の現象の発見につながった。この方法を利用することで分子種の特定だけではなく、分子の配向方向も決定できることが期待できる。


<授賞式について>
本賞の授賞式は、創業者堀場雅夫の母校で、創業当時「産学連携」の礎となった京都大学の施設内(芝蘭会館)で行います。受賞者による講演やポスターセッションを通じて、研究内容を広く社会にアピールする予定です。
 日程:2005年10月17日(月)
 場所:京都大学会館
    (京都市左京区吉田牛の宮11-1/TEL 075-771-0958)


<堀場雅夫賞について>
本賞は計測技術発展のため、昨年5月に当社創業者の名前を冠して創設した、社外対象の研究奨励賞です。毎回、対象テーマを計測の要素技術から選定し、単なる助成金にとどまらず受賞研究の実用化を支援するのが特長です。創業60周年を迎える本年、第1回のテーマであったpH計測に続く基盤技術で、HORIBAグループ発展の原動力となった「赤外線計測」に焦点を当てることで、学術的・産業的にも価値の高い同技術の可能性を追求していきます。本年4月1日から5月31日まで公募し、計32件(国内25件/海外7件)の応募がありました。

第2回の本賞受賞者3名は、その応募の中から、画期的でユニークな分析・計測技術の創生が期待される研究開発に従事し、将来の分析計測技術発展の担い手になるという観点で、実績と将来性を審査委員会で審議し選考されたものです。

なお、次回2006年の第3回本賞の対象テーマは、最近話題のEU規制にある有害元素のような、固体の元素分析に利用する「X線分析技術」の予定です。