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パリ近郊に研究開発拠点 2011年新設に向け、今月土地購入

2009年9月16日


“オプティクスバレー”で連携強化

HORIBAグループは、フランスのパリにある理工系エリート養成のための高等教育機関「エコール・ポリテクニーク」(*1) 内に、日本企業では初めて研究開発拠点を新設します。フランスの子会社 ホリバ・ジョバンイボン社(HJY社)が18,800平方メートルの土地購入の契約をフランス政府と今月末に本締結の予定。来年着工し2011年中の竣工を計画しています。

一帯は、政府主導で産学官の光学産業を集積しバイオをはじめ先端技術を育成する「パリ・サクレー・クラスター」(*2) と呼ばれる地域で、いわば“オプティクス・バレー”です。

この先端科学技術集積エリアで、トップブランドとして世界的に評価されているHJY社の回折格子などの技術開発を行います。なお、HJY社の他に、今後欧州持ち株会社のホリバ・ヨーロッパ・ホールディングス社、パリ近郊子会社など計4社を同拠点に集約し、研究開発体制とグループ連携の強化をはかり、質・量・速さいずれの面でもトップ企業を目指します。

フランス科学技術の動向

2007年に就任したサルコジ大統領の政策で、環境・エネルギー・農業など科学技術の発展が推進されています。基礎研究への投入資金はGDP比0.51%(約8.3億ユーロ)で、米・英を上回り、労働人口に占める科学者の割合も英・独を上回ると言われています。また、大学への巨額投資や財政運営の委任など、フランス教育機関を中心とする研究開発体制を構築しています。

当社グループの中にあって、科学・半導体事業の中核子会社のホリバ・ジョバンイボン社(HJY社)が土地を取得し、来年から着工する研究開発施設一帯では、農業・食品・動植物のゲノムなどのバイオ・理化学分野の研究開発クラスターが形成され、産学官の研究機関の分光分析ニーズをHJY社の研究開発に反映させます。HJY社の分子や細胞の構造、生体内での新陳代謝物などを精密測定する技術を通して、フランスの科学技術の発展に貢献します。

新拠点進出の背景

HJY社の光を応用した分光分析機器は、世界的にトップブランドとして評価され、当社グループの科学・半導体ビジネスの核となる存在です。当社は長期的に市場ニーズが多様に変化することを見据え、迅速対応できる新たな分光分析技術の研究開発体制を模索していました。

一方で、フランス政府による科学技術推進策として、エコール・ポリテクニークを中心とした地区に、バイオや理化学分野を対象とした研究開発クラスター形成が計画されました。

このたび、国立ナノテク研究所やNASAに採用されたHJY社の分光分析技術が高く評価され、今春に研究開発クラスター参画要請の打診が、フランス政府側からありました。

教育研究機関の敷地内に位置し、かつ一帯は光学産業集積地区“オプティクスバレー”であるため、得意とする光学分野の最先端の情報交換ができることや共同開発面でのメリットなどを勘案し、HJY社本社移転拡張を目的として今月、研究開発用地の購入契約を締結することになりました。

分光分析の研究開発

新研究開発拠点では、HJY社の基幹技術にあたる光を特定の波長ごとに分散させる(分光)反射板の働きをする回折格子などの研究を行います。高精度な分光を実現する直径1メートル以上の大型回折格子の開発など、最先端の研究開発に使用される分光分析技術を、最先端研究開発に提供していきます。また、HJY社を足がかりに、将来的に自動車や医用事業の研究開発も行い、グループ全体の基幹技術開発拠点としての拡大を進めていく方針です。

欧州の4拠点を集約

パリ近郊の医用事業を展開するホリバABX社営業所と、自動車・環境計測システム事業の販売子会社ホリバ・フランス社(HF)を順次移転します。また、欧州の持ち株子会社ホリバ・ヨーロッパ・ホールディングス社(HEH)本社も移転し、HJY/ABX/HF社3社の管理部門シェアドサービス(業務集約)を導入することによりコスト削減と経営判断の迅速化を図ります。

新拠点の概要

場所:

エコール・ポリテクニーク内の区画(住所は未割り当て)

敷地面積:

18,800平方メートル

第一期建設着工:

2010年春頃

第一期建設竣工:

2011年

 

参考資料

*1 エコール・ポリテクニーク
フランスの最高水準の理工系教育研究機関。中央官僚や民間企業の経営者には出身者が多い。
HJY社の創業者2名も卒業生で、創業から190年経った今でも、共同研究やインターンシップ制度を通して技術的・人的な交流がある。年間3~4名の研修生を受け入れ、若い世代に分光分析技術を伝え、次世代の研究者を育成することで科学技術発展に貢献してきた。

*2 パリ・サクレー・クラスター
フランス政府の科学技術推進策の一つ。理化学・バイオ分野関連を中心に研究開発が行われている。パリ南部にあるエコール・ポリテクニークの周辺で、30以上の研究開発機関が参画し、約47,000人の研究者や学生が研究開発に従事。年間2,000人の博士号取得者を輩出し、ノーベル賞受賞者も4名出している。アクセスの簡便化や税制上の優遇などを進め、民間投資を拡大させる方針。