[報道発表] 掲載内容は発表日時点の情報です。

富栄養化原因の窒素・リン濃度を同時連続測定

1995年10月17日


(株)堀場製作所(社長・堀場 厚)は、海域や湖沼の富栄養化の原因となる、窒素・リン濃度を同時に連続測定する装置(TPNA−200形)を開発。地方自治体や化学・電力など各種企業(工場)を主に販売します。
標準価格:550万円
発売日:10月23日
販売目標台数:60台
(次年度は100台)販売ルート:日製産業(株)など

富栄養化現象の広がりと悪化が進んでいることから、1993年10月に水質汚濁防止法が一部改正され、海域の富栄養化防止のため、排水基準の対象項目の中に窒素およびリンが新たに規制対象となりました。今後、企業や自治体は、新たな排水処理設備の導入が必要となり、濃度の監視・管理に利用される測定装置の需要も、従来の10倍にあたる3,300カ所に拡大します。

今回の新製品は、窒素・リンの2成分を1台で同時に測定できるので、従来窒素とリンの2種類の測定装置が必要だったところが1台ですみ、省スペース化に寄与します。
また、前処理方法の改良により、試薬など補用品も従来機種に比べて1/3ですみ、ランニングコスト面でも低コストで運用できます。なお、窒素のみ測定のTONA−200形およびリンのみ測定のTOPA−200形も同時に発売します。

〈 主 な 特 長 〉

  1. 1台で窒素とリン濃度を同時連続測定
    省スペース化に貢献
  2. 試薬消費量が1/3に低減
    コスト低減に貢献
  3. 自動連続測定
    月2回程度の試薬補給以外は保守不要


〈 主 な 仕 様 〉
測定範囲:窒素:0〜2m gN/l (標準レンジ)
     リン:0〜0.5mgP/l (標準レンジ)
精  度:±3%(窒素・リン共,標準レンジ時)
外形寸法:600×590×1600mm
重  量:150Kg


お問い合わせ先→(株)堀場製作所 CS部
TEL.0120-37-6045(フリーダイヤル)


参考資料

  • 窒素/リン
    海域や湖沼など閉鎖性水域で、赤潮やアオコの発生など、富栄養化の原因のひとつにプランクトンの増殖をもたらす、窒素およびリンが問題となっている。1993年10月に水質汚濁防止法施行令が一部改正され、排水基準の対象項目に窒素・リンが追加された。各地方自治体では濃度の監視に、各種企業では濃度管理のため、除去装置や測定装置の導入が行われている。
  • 水質汚濁防止法
    工場・事業所から公共水域への排水などを規制し、水質汚濁の防止をはかると共に生活環境を保全することを目的とする。
  • 環境基準/排水基準
    環境基準は、1971年以降「環境庁告示」により、人の健康保護と生活環境の保全の2つに大別して定められた。排水基準は、1971年に「排水基準を定める総理府令」により、対象となる有害物質または水質項目毎に設定し定められた。
  • 窒素/リンについての規制
    1982年に湖沼を対象に環境基準が設定され、3年後に排水基準が設定された。
    また、1993年に、海域の富栄養化防止のため、東京湾,伊勢湾,瀬戸内海など、88海域の閉鎖性水域に対する環境基準と排水基準が設定された。
    5年後に予想される第5次水質総量規制では、既に規制対象のCODに加えて、窒素・リンも対象となる模様。規制対象となる全国の対象企業の数は、約3300カ所の規模。
  • 窒素・リン以外の水質測定成分と、その中での窒素・リンの重要度水質汚濁防止法によって、生活環境項目として排水基準が定められている水質測定成分として、pH,BOD,CODなど16項目ある。中でも、閉鎖性水域において、水質の汚染度を示すCOD,BODについで汚染原因の窒素・リンが重要な測定成分として注目されている。
  • 前処理法の改良
    測定前に試料水中の窒素化合物とリン化合物を酸化分解する必要がある。
    従来は、120℃に加熱し加圧状態で行うため、特殊な耐圧容器が必要だった。新製品では、紫外線を照射して常圧下で行うので、メンテナンス性や安全性が向上している。
  • 測定原理
    分解された窒素・リン化合物に試薬を加えて光(紫外線・可視光)を当てると、濃度分の光が吸収される。どれだけ吸収されたかで濃度を測定する。(吸光光度法)