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有害大気汚染物質をアタッシュケースサイズで測定

1997年3月25日


参考資料

  • 大気汚染規制の方向性
    日本では、COやNOx,SOxなど直接的に人体に悪影響を及ぼす物質は、昭和40年代の「公害」が社会問題になった時代から規制され、今では世界的に見ても規制レベルは高い水準に至っている。一方、有毒性,蓄積性があり人間のみならず動植物に有害な影響を及ぼすものの、大気中には微量しか含まれないために今まで規制されていなかった有害大気汚染物質(HAPs)は、発がん性など人の生涯リスクの観点からも問題となるのは確実。環境庁では、これらの有害物質の増大を未然に防止することを目的とした対策を策定中で、有害大気汚染物質として234物質をリストアップしている。中でも早急に規制的措置が必要な物質として、ベンゼン,トリクロロエチレン,テトラクロロエチレンの3物質の環境基準が決定し本年4月からスタートする。また、優先取組物質としての22物質を絞り対策の検討を行っている。対策を推進するためには、正確な濃度把握のための大気環境モニタリングの確立が重要となる。
  • 有害大気汚染物質(HAPs=Hazardous Air Pollutants)
    大気中に存在する化学物質で直ちに健康に影響が生じるレベルではないが、長期的に曝露した場合には発がん等の健康影響が懸念される物質のことをいう。大気汚染防止法による定義では、長期毒性を有する大気汚染物質であって、大気汚染防止法に基づく工場・事業場に対する規制措置が講じられていない物質とされている。特徴は発生源および排出形態が多様であることと、有害性として発がん性を有するものが少なくないこと。
  • 優先取組物質(22物質)
    アクリロニトリル,アセトアルデヒド,塩化ビニルモノマー,クロロホルム,1、2-ジクロロエタン,ジクロロメタン,テトラクロロエチレン,トリクロロエチレン,1、3-ブタジエン,ベンゼン,ホルムアルデヒド,ニッケル化合物 他
  • 測定原理
    ガスクロマトグラフ法=試料を気化しキャリアガス(測定に影響を与えない試料搬送用のガス)によって、カラム(試料分離管)内で展開させ、各成分に分離して濃度測定を行う装置。カラムには充填カラム,キャピラリーカラムなどがあり、吸着能の差やコーティングされた液相との気液平衡の差などを利用して分離する。マススペクトロメータ法=測定対象となる分子を真空中で帯電させ、種々の電磁的作用を与えることにより対象分子の質量を測定する。主な方法として、固定した磁石や電極の中を飛行させることにより質量を分離するセクター型、4つの電極に電気的高周波を印可し、その中を飛行させる4重極型、と一定距離を飛行する時間によって分離する飛行時間型が存在する。
    飛行時間型=測定対象分子をイオン化し一定の運動エネルギを与えると、軽いイオンは速く飛び、重いイオンは遅く飛ぶという単純な原理により、一定距離を飛行する時間がイオンの重さによって変化する。従って、時間を測ることにより質量数を決定できる。
  • コア社について
    超高真空技術やTOFMS分野における電気・電子関係の検出器や回路といった特殊ユニットを独自開発し、大学や民間研究所等研究機関分野に納入する、英国のベンチャー企業。当社とのかかわりは3年前からで、在日英国大使館を通しての英国貿易産業省からの日本企業への英国企業投資への働きかけがきっかけ。電子を利用した分析装置も手掛ける当社として、同社の基礎技術力の高さを買い、昨年同社に資本参加し、現在同社の株式を約5%保有している。

    社 名:KORE TECHNOLOGY LIMITED
    住 所:Cambridge Science Park, Cambridge CB4 4WF, Engrand
    電 話:44(0)1223 42084
    会 長:Dr. Barrie W. Griffiths
    資 本 金:165,000ポンド(ご参考:1ポンド=約195円)
    事業内容:超高真空技術及びTOFMS分野における特殊部品の開発。特注品の設計。
    売 上 高:51万ポンド
    社 員 数:11名
  • 当社の大気汚染測定分野での取り組み
    当社では、CO,CO2,NOx,SO2,HCなどの大気汚染測定装置としてメンテナンス性に優れたドライ法をいち早く採用し、欧米各国に3000台以上の実績を持っている。さらに、本年4月より規制が始まるベンゼン,トリクロロエチレン,テトラクロロエチレンの3物質の連続測定装置を他社に先駆けて開発し、本年6月より発売を予定しています。今後とも、益々厳しくなる環境基準に対応した測定装置を提供することで地球環境の保全に役立ちたいと考えています。