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横河電機と排ガス測定装置を共同開発

1998年7月24日


 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市中町2-9-32、社長:美川 英二、資本金:323億600万円、以下「横河電機」)と株式会社堀場製作所(本社:京都市南区吉祥院宮の東町2、社長:堀場 厚、資本金:65億6,994万円、以下「堀場製作所」)の両社は、それぞれの測定器専業メーカーとしての専門技術と実績ノウハウを活用することによって、いま世界中で社会的関心が高まっている地球環境問題の解決に貢献できるとして、自動車排ガスの測定分野で共同開発の提携を結び、これまで開発に取り組んできましたが、このたび製品化の目途がつきましたので、お知らせいたします。

−自動車排ガス測定分野における共同開発の概要−
 自動車の排ガス中に含まれるCO2(二酸化炭素)やNOx(窒素酸化物)は環境に与える影響が大きく、現在各国政府でそれらの排出量が厳しく規制されていますが、一方、自動車排ガスに含まれるその他様々な物質についても、大気汚染を通じて人の健康へ影響することが新たに報告されています。特に、ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質(パティキュレート)注が人の健康に与える影響が問題視されており、これらの規制値が年々厳しくなってきています。また粒子の粒径を規制することまでもが検討されています。

注:SOF(ベンゼン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの可溶有機成分)、Dry Soot(カーボン粒子)、Sulfate(SO4)など、ガソリンやディーゼルの内燃機関から排出される微粒子。発癌性が指摘されている。

 自動車排ガス中に含まれる粒子状物質(パティキュレート)については、これまでフィルターで捕集して、その重量を測定する以外に有効な解析装置がありませんでした。一方、横河電機が1994年に開発・販売した「パーティクルアナライザ」は、ヘリウムプラズマ方式により、微粒子(パーティクル)の組成・個数・粒径が同時に短時間で測定できる装置として、主に半導体工場のクリーンルームなどで採用されていますが、これがエンジンから排出される粒子状物質(パティキュレート)の解析のために有効な装置であることを、エンジン排ガス測定・分析装置分野では世界トップシェアの堀場製作所が着目しました。

 以上の経緯から、横河電機と堀場製作所は、横河電機の「パーティクルアナライザ」を、エンジン排ガス粒子状物質(パティキュレート)解析の専用機とするため、昨年、共同開発に着手し、このたび製品化の目途がつく運びとなりました。専用機は、エンジン排ガス中に含まれる粒子状物質(パティキュレート)に含まれる元素の分析・解析ができるだけでなく、その粒径の測定も同時にできる装置として、次世代エンジンや代替燃料を開発している自動車メーカーを市場として、横河電機から堀場製作所へOEM供給され、「HORIBA」ブランドで1999年1月を目標に販売開始される予定です。

−共同開発に対する両社の取り組み姿勢−
 両社ともに計測器メーカーとして、横河電機は主にプラント市場に対して大気計測・水質計測の豊富な実績を有しています。また堀場製作所も、大気計測・水質計測・発生源計測の専用機器に幅広い製品ラインアップを持っています。両社は、いま世界中で社会的関心が高まっている地球環境問題に対して、メーカーとしてより積極的な姿勢でこの問題に個々に取り組んでいます。
 このたび両社が初めて取り組んだ共同開発プロジェクトについては、「パーティクルアナライザ」(本年度発明協会主催 全国発明表彰−「日本商工会議所会頭発明賞」受賞)というユニークな解析装置を使った、自動車排ガス測定分野における全く新しい試みという開発の意義もあって、両社ともに積極的な姿勢で臨んでおります。

−環境事業における横河電機の取り組み−
 横河電機は、工場の排ガスを監視する「ダストモニター」、河川水や排水のシアンを高感度で測定する「遊離シアン自動測定装置」、工場の排水や河川水に含まれている揮発性有機物をオンライン測定する「プロセスガスクロマトグラフ」、ダイオキシン類が焼却施設から発生するのを防止するための監視・分析装置である「ダイオキシン類発生防止対策専用CO/O2ガス分析装置」など、排ガスや水質の各種分析計の豊富なラインアップと、多くの納入実績を持っています。
 また、環境保全に関する当社独自の活動として、環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」の認証を、本社機能も含めて全ての工場で取得を完了しており、自ら率先して地球環境を保全する社内体制を確立するとともに、環境調和型製品の開発・供給を通じて顧客の環境保全活動を積極的に支援する企業姿勢を明確に打ち出しています。その一つが、本年7月1日付けで新設の「インダストリアルオートメーション事業本部環境機器事業部」の新設です。
「環境機器事業部」は、液体、気体、土壌の各分野において環境計測・分析計の製品群を市場に投入しながら、今後大きく成長することが予想されている環境関連ビジネスを横河電機の大きな事業の柱のひとつに育成し、2002年には500億円規模(含む、公共上下水対象事業)のビジネスに発展させる計画です。

−自動車計測事業における堀場製作所の取り組み−
1950年、国産初のガラス電極式pHメータを開発した堀場製作所は、大気汚染測定装置や水質計測装置といった環境分野も含めた、計測・測定機器の専門メーカーです。 中でも、売上の約半分を占める自動車排ガス測定装置は、米国のEPA(環境保護庁)をはじめ、全世界の自動車メーカーに納入しており、世界シェアは8割です。また、排ガス測定装置だけでなく、シャシダイナモメータ(路上走行再現装置)や人間に代わって極低温下といった危険環境下でも走行テストが可能な自動運転システムなども独自開発しており、トータルシステムを提供・提案できる唯一のメーカーです。加えて、米国カリフォルニア州規制にみられるように、世界各国では今、規制値が厳しくなるだけでなく、規制の対象物質が広がってきています。特に、「地球環境」の問題が世界レベルで関心が高まるのに呼応して、発癌性物質を含む微量成分の計測が求められています。
 自動車をはじめとした内燃機関から排出される、粒子状物質の計測・解析の市場ニーズに対応するため、横河電機が有する「パーティクルアナライザ」を基にした、エンジン排ガス専用機の共同開発を進めています。
今後も、さまざまな市場ニーズに対して、今回のような共同開発を含む技術の多様化・多角化を図っていきます。本分野での省力化の寄与を通して、高い信頼性に裏打ちされたシステム受注を目指します。

備考:本件は、横河電機と当社の2社によるリリースです。