英国企業と技術・販売提携締結

|   ニュースリリース

当社は、X線分析装置(X線マイクロアナライザ)で世界トップクラスの英国の"オックスフォード・インストゥルメンツ社"(以下、オ社)との間で、技術交流を今後はかっていき、将来的にはお互いの要素技術を融合して共同開発も含めた技術提携、および、同社製品の蛍光X線分析装置を当社が輸入販売する契約を、本日14日に調印しました。2社が既に持つX線分析技術を相互に補完しあうかたちで、互いの製品を供給しあい、共に品揃えの充実をはかり、当社は国内およびアジア圏で、オ社は欧米での市場拡大を狙います。


当社のX線分析機器としては、電子顕微鏡と組み合わせて、原材料の含有元素の種類・量をX線を使って微小領域を分析するX線元素分析装置や、X線そのものを試料にあてて元素を分析さらに画像解析できる、世界初のX線分析顕微鏡などを手掛けています。X線元素分析装置においては、国内トップシェアです。
一方のオ社も、X線分析分野でさまざまな製品展開をはかっており、同社の4つ事業分野の中でも微小分析(マイクロアナリシス)事業は、10数年で飛躍的にシェア拡大を成しています。

このように、2社共にそれぞれX線を利用した要素技術を持っています。今回の両者の提携内容のひとつである技術提携は、分析分野それもX線分析において、お互いの得意技術を融合した共同開発をすすめていくという包括的な内容です。当社は、X線分析の他に、微小領域の分子量分析装置やpH画像解析装置などを持っています。微小・微細領域に特化した製品群を、理化学分野における当社の独自性を発揮する得意領域に育てる方針です。今回のオ社との提携は、微小専用機の品揃えの充実ならびにシステム化を構築するうえで有益です。

またもうひとつの契約内容である、オ社製の蛍光X線分析装置の輸入販売は、当社にとっては、品揃えの充実のうえで具体的なものです。一方のオ社にとっては、日本市場への本格参入の足掛かりとなるメリットがあります。

当社は、一昨年の1997年に分光分析技術では世界トップの"ジョバンイボン社"を買収しグループ化しました。この買収は、当社が従来から持つ光の波長領域に、ジョバンイボン社が得意とする波長領域を加えて、光を使った分析技術を全てカバーすることが狙いでした。今回のオ社との提携は、光の中でも"X線"の領域の強化をはかるものです。



参考資料

  • オックスフォード・インストゥルメンツ社(Oxford Instruments plc)
    概要
    英国に本社をおき、世界の40ヶ国以上に販売サービス拠点を有する、先端科学機器の専門メーカー(1959年設立)。事業分野としては、科学研究機器事業、分析機器事業、半導体関連事業、医療機器事業がある。X線関連では、X線分析装置、蛍光X線分析装置などの製品があり、X線分析では世界のリーディングカンパニーとして有名。
    社  長:Andrew Mackintosh(アンドリュー マッキントッシュ)
    従業員数:グループ全体 約2000名
    売上規模:グループ全体 217百万ポンド(約380億円)
    住  所:Old Station Way,Eynsham,Witney,Oxon OX8 1TL,UK
  • X線分析装置
    ここでは、X線マイクロアナライザの事を指しており、電子顕微鏡と組み合わせて試料表面のμmレベルの、微小な領域の元素分析を行う装置。電子線を照射された試料からは試料中の元素に固有のX線が発生し、その強度を測定することで元素分析を行う。理化学、半導体をはじめ広い分野で微小部の分析に利用されている。
  • 蛍光X線分析装置
    試料にX線を照射した時発生する蛍光X線を利用し、試料の元素分析をする装置。蛍光X線を分光器を使って波長により分光する波長分散式と、分光しない非分散式とがある。非分散式には、エネルギーによる弁別機能を持った検出器を使用するエネルギー分散式が含まれている。当社の装置は全てエネルギー分散式で、オ社の装置には、エネルギー分散のほか、エネルギー分散と波長分散を組み合わせた装置がある。
  • ジョバンイボン社(Jobin-Yvon S.A.)
    NASAをはじめ、世界の最先端研究機関で高い評価を受けている、世界トップクラスの光学分光分析装置メーカー。1997年9月に当社が買収。同社の持つ紫外線から可視光線領域における技術を、分析分野や半導体分野製品に展開しつつある。
    1999年10月にインスツルメンツから前身のジョバンイボンに社名改称。