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産官学が一体支援するベンチャー企業誕生

2000年12月14日


(株)金子電器製作所の社長 金子健氏、(株)堀場製作所の会長堀場雅夫氏、ならびに同社開発部門の担当部長細川好則氏の3名が発起人となり、X線を応用した多層構造評価装置を開発するベンチャー企業−(株)エックスレイ プレシジョン−を12月26日に設立します。

設立当初の資本金は3000万円です。出資者は、発起人の他に、所属する企業の金子電器製作所、堀場製作所他の関与する企業(民)だけでなく、国内のX線分野における最先端研究をされている大学の学者(学)、さらには科学技術庁無機材質研究所の中澤研究官(官)を筆頭に、事業趣旨に賛同された個人など計32名と、単に企業同士のジョイントベンチャーでもなく、企業が分社化した社内ベンチャーでもなく、まさに産官学一体となって支援する真のベンチャー企業が誕生します。


<設立の背景>
IT産業において、今以上の市場性が見込まれるもののひとつに、次世代の高機能携帯電話や携帯情報端末(PDA)があります。心臓部の基板は、高機能化すれば回路が複雑になり多層化が進み、一層ごとの回路検査や素材分析が重要となります。この他、食品や医薬品の製造工程での全数チェック等の厳密な品質管理や異物混入監視などで、非破壊検査・分析が同時にできるシステムの開発への期待が寄せられています。
堀場製作所は、1971年に蛍光X線分析装置を開発以来、X線を応用した分析装置を数々開発し、1994年には世界で初めて表面だけでなく内部の元素分析と微少部観察ができるX線分析顕微鏡を開発と、X線を使った分析技術を持っています。
一方、金子電器製作所は、国内で初めて光学式電子部品検査装置を開発し、この分野の草分けとして、検査装置についての技術力ならびに市場把握に豊富な経験を持っています。


<本ベンチャー企業の意義>
今回設立するベンチャー企業は、このような新世紀の市場および、堀場製作所の分析装置開発力と金子電器製作所の市場把握力をバックグラウンドに、発起人に堀場製作所取締役会長の堀場雅夫氏、金子電器製作所代表取締役社長の金子健氏、また、発起人代表に30年以上にわたりX線分析装置の開発に携わってきた堀場製作所開発センターベンチャー室担当部長の細川好則氏が、さらに、科学技術庁無機材質研究所の中澤弘基特別研究官と同分野の先端の研究者や研究機関および関連するメーカーや商社、さらに個人も含め出資を呼びかけ、多くの企業や個人の設立趣旨に賛同を得て設立するに至りました。
特に、オブザーバー的な協力や助言といったかたちの「連係」ではなく、同じ分野でそれぞれ違う側面から関与している個人や企業の直接出資や官学の支援と、まさに産官学が「一体」となった新しく真の意味でのベンチャー企業が誕生します。


<事業内容と将来構想>
まずは、堀場製作所のX線を使った分析技術と、金子電器製作所の光学式検査技術の融合を核として、新しくX線式検査分析装置を開発。この共通フレームをベースに、各大学で行われている最先端の研究を反映し製造販売を行います。以後、プロセス用の組み込み式の計測装置や検査装置など順次開発していく方針です。研究室は西野茂弘教授が所属の京都工芸繊維大学におき、装置のさらなる改良と解析ソフトの開発を行います。
なお、事務所所在地については、現在検討中で、実際の活動は、2001年1月から開始し、2年目には単年度黒字を目標に活動し自前の本社・工場を確保します。3年後には海外販路も積極的開拓を予定しています。




<株式会社 エックスレイ プレシジョン 会社概要>

資本金:資本金 3,000万円

代表取締役:細川好則(ほそかわ よしのり)

出資者:合計32名(法人含む)

  • メーカー等4社

    • (株)堀場製作所
    • (株)金子電器製作所
    • 仁木工芸(株)
    • 大同ケミカルエンジニアリング(株)

  • 国立研究所をはじめ専門分野の大学教授(個人出資)

    • X線導管を用いるX線分析顕微鏡の基本発明者の科学技術庁 無機材質研究所 中澤弘基特別研究官
    • 共同研究開発場所の京都工芸繊維大学と地域共同研究センター教授 西野茂弘氏
    • その他、X線光学デバイス.無機材料.マイクロX線発生技術などの研究をされている大学教授など

  • その他(金子社長,堀場雅夫会長はじめ堀場製作所グループ社員や一般の方)


    人 員 数:6〜7名

    研 究 室:京都市左京区松ヶ崎御所海道町 京都工芸繊維大学 地域共同研究センター内



参考資料

  • (株)金子電器製作所
    〒612−0063 京都市伏見区桃山毛利長門東町34番地8 TEL075−605−8422
    1967年12月10日に設立。1975年に国内で初めて光学式電子部品検査装置を開発して以来、本分野の草分けとして、検査装置についての技術力ならびに市場把握に豊富な経験を持っている。光学式プリント配線板欠陥検出装置を販売の中心におき、次世代の電子デバイス製造プロセス上欠かせない検査領域への展開をはかっている。
    代表取締役社長 金子 健 / 売上高 約3億円
  • X線分析装置と光学式検査装置
    X線分析装置は蛍光X線の測定によって検体試料の非破壊元素分析が可能。また、本原理を応用したX線分析顕微鏡は元素分析のみならず二次元の元素分布測定と同時に透過X線の測定によって内部構造が非破壊で計測可能。一方、光学式検査装置は光やレーザーを電子部品等にあててその反射光をCCD等によって測定するもので表面の二次の反射情報から形状や色の微妙な変化を捕らえることができる。
  • 多層基板
    IT分野においてそのソフトを支える次世代のハード技術のひとつにLSIや実装する電子部品と共にプリント回路基板(PWB)は小型化多層化高密度化している。この微細高度化する多層PWBの開発・製造・品質管理工程において非破壊で内部のパターンを各層毎に迅速に分析・検査する装置の早期実現が期待されている。また、食品・医薬品分野の製造品質管理工程においても異物監視・分析の迅速対応が強く望まれている。
  • 携帯情報端末(PDA)
    次世代の情報通信機器の概念で、パソコンと電子手帳的な機能を兼ね備えた、マルチメディア時代の有力な個人用情報ツールと言われている。スケジュール管理、手書きメモの入力のほか様々なデータベースに接続してデータを検索したり、文字・動画情報を送・受信する通信機能も持っている。



<発起人よりひとこと>

  • 堀場 雅夫
    私が理想に画いていた産・官・学と経営・資本・労働の役割責任分担と、一つのプロジェクトに向って一体となり協調するシステムを持ったベンチャービジネスが誕生します。絶対に成功させます。乞うご期待!!

  • 金子 健
    21世紀ものづくりの中心的な存在が、X線(計測・分析・微細加工)だと確信している。この時期にこの新会社が組織にとらわれない開製販一体のベンチャー企業として、スピード豊かに成果をあげることを期待している。私に課せられるものは、明確な切り口をもった仕事を創出することだと心得ている。