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計測技術発展のため「堀場雅夫賞」を創設

2004年5月 7日


当社は、昨年迎えた創立50周年を期に、社外対象の研究奨励賞として、創業者の名前を冠した「堀場雅夫賞」を創設します。毎年、賞の対象分野を計測の要素技術から選定するのが特徴で、第1回は当社の最初のコア技術で創業の礎となった、「pH計測」の分野が応募対象です。計測技術に関わり、対象分野の研究に従事して間もない国内外の研究者・技術者を対象に公募します。画期的でユニークな分析・計測技術に「おもしろおかしく」従事されている研究者・技術者を支援することで、計測技術の発展の一助になればと願っています。


<賞の背景>
当社は昨年創立50周年を迎え、次なる半世紀に向け、新たなスタートをきりました。創業者の堀場雅夫が学生ベンチャーの草分けとして興した当社の歴史は、国産初のガラス電極式pHメータの開発から始まり、今日までその分析対象を液体・気体・固体分野へと拡大しながら、総合分析機器メーカーとしてグローバルに事業を拡大してきました。その発展を支えてきたものの一つに、創業当初からの大学や研究機関との連携があり、地道に基礎的な研究開発に取り組んできた研究者・技術者の努力が大きな原動力となっています。
21世紀を迎え、分析・計測の重要性が社会的にも増してくる中、分析・計測技術の分野で、新たな起業・事業化の源となりうるアカデミックな研究・開発を支援するため、創業者の名前を冠した「堀場雅夫賞」を創設しました。

<賞の趣旨>
本賞は、画期的な分析・計測技術の創生が期待される研究開発に従事する国内外の研究者・技術者を支援し、科学技術における分析・計測技術の価値をより一層高めることを目的とします。賞の対象分野は、当社が育んできた分析・計測の要素技術を中心に、毎年テーマとなる分野を定めることで、その成果や今後の発展性を世界的にアピールするべき研究・開発に焦点を当てていきます。基礎から応用まで、対象分野においてユニークな研究開発に「おもしろおかしく」従事され、将来の分析・計測技術発展の担い手となられる方々の積極的な応募を期待しています。


<第1回の応募対象:pH計測について>
pHは溶液物性の最も重要なパラメーターであり、科学技術の進歩著しい21世紀において、最先端科学の視点からpHの基礎を見直すことは非常に意義のあることと考えます。pHの定義などの基礎的な研究から、種々のシーズを活用した新規のpH測定法、さらには、近年のナノテクやバイオ研究におけるpH測定など、幅広い視点からの応募が対象になります。

<応募要綱>
【募集対象】国内外の大学または公的試験研究機関に所属する方。
【募集分野】第1回の今年は、「pH計測」。(基礎から応用まで、計測手法は問いません。)
【審査方法】審査委員会が応募書類に基づき実績と将来性を審議し、決定します。
【発 表】毎年、8月に5名以内の受賞者を決定。
【賞の内容】受賞者には、賞状及び副賞として助成金を支給します。
(副賞は、受賞時に1件あたり最高で金150万円を支給します。)
【表 彰 式】2004年10月18日(月)京都大学芝蘭会館(京都市左京区吉田牛の宮11-1)
受賞者による講演やパネルディスカッションを通して、研究内容を広く社会にアピールする予定です。
【応募期間】2004年5月10日(月)から7月30日(金)まで
【応募方法】所定の申込書・所定の推薦書、技術資料、当該研究に関する論文、過去10年間の論文リストなどを添えて応募する。
応募書類など詳細は、本賞ホームページに掲載:http://www.mh-award.org
【応募・問い合わせ先】
郵便番号601−8510 京都市南区吉祥院宮の東町2番地
株式会社堀場製作所内 堀場雅夫賞 事務局 TEL 075−313−8121(代)
E-mail:info@mh-award.org

【審査委員会】(敬称略、順不同)
名誉審査委員長:堀場 雅夫(堀場製作所 取締役会長)
審査委員長:堀場 厚(堀場製作所 代表取締役社長)
副審査委員長:小久見 善八(京都大学大学院工学研究科 物質エネルギー化学専攻 教授)
審査委員:
一山 智(京都大学大学院医学研究科 臨床病態解析学講座 教授)
逢坂 哲彌(早稲田大学理工学部応用化学科 教授)
中村 進(産業技術総合研究所 計測標準研究部門 主任研究員)


参考資料

<堀場雅夫賞創設に当たって:堀場 雅夫>
内容、性質、挙動が不明の物質を解明することは、科学者や技術者にとって大変必要なことであります。問題を解くには高度の科学、技術を駆使した分析器が必要となります。
ただ、その重要性と高度の技術を必要とする割には一般社会は勿論のこと、学界においてもその存在は大きなものではありませんでした。当賞が地味ではあるが分析の基本をより確立する学究の徒に少しでも勇気を与えてくれることを願って創設致した次第です。


  • 堀場 雅夫(株式会社堀場製作所 取締役会長/医学博士)
    昭和20年10月、京都帝国大学(現京都大学)理学部在学中に、当社前身の堀場無線研究所を京都に創業。今で言う学生ベンチャーの草分けとして出発した。
    学生時代の専攻は核物理で、大学教授であった父・信吉氏と同じく、卒業後は大学に残って研究者になる道を志していた。しかし、戦争終結と同時に米軍が、日本に原子核関係の研究・実験を禁止する措置を取り大学での研究を続けられなくなった。自ら自由に実験や研究ができる私設の研究所をつくろうと決心したのが創業のきっかけ。
    昭和28年1月、株式組織に改組し社長に就任。
    堀場無線研究所時代に電解質コンデンサーを開発し事業化を試みるが、朝鮮戦争のインフレのため計画は頓挫。代わりに、コンデンサー生産のために開発したpHメーターを商品として売り出し、現在の株式会社 堀場製作所を設立した。設立当時から大学との産学協同体制で、次々と新しいpHメーターを開発。現在までに至る事業の基盤を確立した。
    昭和53年、53歳で会長に就任。この時、人生哲学でもある「おもしろおかしく」を社是に制定。会長に就任後は、日本の中小企業、ベンチャー企業の支援や京都の活性化に力を尽くしている。現在は、財団法人 京都高度技術研究所 最高顧問やナノテクノロジーを中心として産学連携を推進する知的クラスター計画、京都ナノテク事業創生クラスター事業本部本部長などを務め、後輩起業家育成に注力している。また、最近は将来の社会を担う人材を育成するため、根本的な教育改革のためにも力を尽くしている。

    (略歴)
    大正13(1924)年 12月1日生まれ(79歳)
    昭和20(1945)年 堀場無線研究所設立
    昭和21(1946)年 京都帝国大学理学部卒業
    昭和28(1953)年 (株)堀場製作所設立 代表取締役に就任
    昭和36(1961)年 医学博士号を取得
    昭和53(1978)年 同社 代表取締役会長に就任
    昭和57(1982)年 藍綬褒章受章
    平成7 (1995)年 同社 取締役会長に就任
    至現在、他の現職は、京都商工会議所 副会頭、日本新事業支援機関協議会 代表幹事など