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ドイツの自動車試験装置メーカー シェンク社 事業買収

2005年8月18日


(株)堀場製作所は、エンジン開発用設備をはじめブレーキテストや風洞実験など、自動車産業での各種試験設備を製造販売する、カール・シェンク社(Carl Schenck AG/本社:ドイツ.社長:ラルフ・ディーター氏.設立:1881年)が持つ自動車関連計測事業部門(DTS = Development Test Systems)を買収することに8月17日に基本合意しました。

今後は、同社の世界12カ国にあるDTS事業部の拠点・人員のほぼ全てを引継ぎ、当社の主力であるエンジン計測ビジネスの新たな部門として位置づけ、従来の排ガス計測事業からエンジン性能試験をはじめとするパワートレイン(注1)開発に対する総合計測設備メーカーへ一気に事業拡大します。自動車発祥の国ドイツの伝統を入れて世界唯一の、トータルソリューションメーカーとなり、欧米はもとより自動車需要急伸のアジア圏へのシステム受注が期待でき、5年後には同分野での売上規模2倍の500億円規模に拡大する計画です。

なお、この新事業への投資は3年で50億円規模を予想しています。(買収額のみは非公開)


【背景と狙い】

当社のエンジン計測事業は海外での展開も含めて、ガス計測を核とした車輌や新型エンジンの研究開発および検査設備システムが主軸です。とりわけエンジンの研究開発分野における事業を強化するために、2001年に今回事業買収に至ったシェンク社ならびに、エンジン設計のコンサルタント事業を主力とする英国のリカルド社(注2)との3社で、エンジン研究・開発用の基幹計測ソフトを開発するSRH社を設立。同分野参入の足がかりを得て活動を進めてきました。

一方、シェンク社はビジネス領域拡大のため、現在の自動車計測関連分野中心から、それ以外への製品展開を打出しています。そのため、自動車計測関連分野専用で横展開に適さないエンジンテスト(注3).ブレーキテスト.風洞実験などの試験システムについて、排ガス試験においてトップ企業であり、SRH社を共同運営している当社に対し事業譲渡の打診がなされました。

当社としては、自動車誕生と同時期の1881年に設立の伝統あるドイツ企業シェンク社が持つ技術.設備.人員といった事業リソースを獲得し、当社グループに組み入れることで、パワートレイン開発における試験設備項目が現在の2.5倍に拡大し、同分野へ一気に参入できるという狙いと、自動車産業からの試験・計測設備に関するシステム一括発注やアウトソーシングに対するニーズが高まる方向にある、という観点から世界唯一のトータルソリューション企業への拡大を目指し買収を決定しました。


【買収について】

今回買収するシェンク社のDTS部門は、エンジンテスト、ドライブトレインテスト(車台の動力伝達部分)、ブレーキテスト、風洞実験そして排ガステストに関する機器の製造・販売を行っていますが、当社が得意とする排ガス計測で蓄積したノウハウと顧客密着体制を、今回買収する事業分野に展開し、エンジンテストからパワートレイン開発までほぼ全域に対する計測設備ニーズに応えることで、真の「トータルソリューション」の供給が可能となります。

また、排ガス計測事業担当の“エンジン計測システム機器部門”により実施している同事業のグローバルオペレーションに、欧州各国、米国、中国、アジア各国および日本で展開されているシェンク社のグローバルネットワークを組み込み、一括してマネジメントサポートすることにより、「HORIBA」ブランドにおける新たな事業において大きなシナジーを実現します。

今回の事業買収により、当社グループのエンジン計測事業を、5年後に現在の270億円から約2倍の500億円規模に拡大することを目指します。シェンク社の事業買収を含めた当社グループのエンジン試験設備部門への投資は、3年間で50億円を予定しています。

なお、正式調印は、8月22日ドイツのシェンク社で双方の社長出席のもと行う予定です。



参考資料


カール・シェンク社(Carl Schenck AG)

概要:
ドイツに本社があるデュール社(Dürr AG (注4))の子会社。1881年設立で世界20ヶ国に販売サービス網をおいている。事業分野としては、自動車と部品の開発テストシステム、製造部門での試験設備がある。
今回買収するのは、同社のもつ3つの事業部門の内の自動車関連計測事業部門で、同社事業活動の内の20%をしめており、売上は約100億円、人数は約500名の規模。

創立:1881年
社長:Ralf W. Dieter(ラルフ・ディーター)
住所:Landwehrstrasse 55, D-64293 Darmstadt, Germany
   ドイツ ダルムシュタット市 ランドヴェールシュトラッセ 55
売上:3億8400万EUR(約516億円/2004年実績) EURO = ¥134.44で換算
従業員:約2,600名


SRH社(SRH Systems Limited)

概要:
シェンク社・リカルド社(英)・当社の3社により英国に設立したジョイントベンチャー。エンジン研究・開発用の自動化ソフトウエアの設計開発。

創立:2001年11月
社長:James Fowler(ジェームス・ファウラー)
売上:40.6万EUR(約0.5億円/2004年実績)EURO = ¥134.44で換算
従業員:3名(実際業務は3社合計で25名.内 当社では3名が担当)


  • 用語説明

    • パワートレイン(注1)
      エンジン・吸排気系・トランスミッションおよび電子制御ユニットの総称。
    • リカルド社(注2)
      エンジン設計から車両パッケージングさらには生産に至るまで、自動車にまつわるほぼ全域の技術コンサテーション・エンジニアリングを全世界の自動車会社・エンジンメーカーに提供する伝統ある英国企業。本社、英国ショーハム。
    • エンジンテスト(注3)
      エンジン開発におけるエンジン単体での各種試験。とりわけ、最近の電子制御化されたエンジンにおいては、多くの試験項目が要求されている。
    • デュール社(注4)
      自動車を含む輸送産業全般・鉱業・素材産業における、生産システムとそれらに付随する部品や計測機器のサプライア。本社シュトゥットガルト。売上19億ユーロ/年。従業員7,280名。(2004年)