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ケミカルCCDによる、ズーム機能付き超高感度バイオセンサー開発

2001年11月 1日


当社と、バイオ分野の測定器開発を行う子会社の(株)バイオ・アプライド・システムズ(社長:冨田 勝彦、本社:京都市)は、ケミカルCCDを利用した超高感度バイオセンサーを開発しました。測定する物質に応じて、指定する濃度領域まで感度の増倍(ズーム)が可能です。今回用いたケミカルCCDの基本原理は、豊橋科学技術大学 澤田和明 助教授と共同開発したもので、今後は環境ホルモンや、遺伝子診断等の環境・医用・理器への応用が可能です。

今回開発したセンサーは、計測する物質の濃度に応じてセンサー部に蓄積される電気量を測定します。この電気量(電子)を容量増幅原理により,外部増幅器を用いることなしに,測定に必要な信号出力を任意に増幅(ズーム)することで高感度検出が可能です。
pHの場合は従来のpH計の100倍以上の高感度で、10万分の1単位まで計測可能です。また、環境ホルモンのひとつとされるビスフェノールAの信号もとらえ、ナノグラムレベルの検出に成功しました。今後は、測定物質と反応する抗体、膜、電気回路に改良を加えさらなる高感度化を目指し、バイオ分野での応用展開を図ります。

=今回の研究開発成果はミレニアムプロジェクトの一部として実施している経済産業省の「生物の持つ機能を利用した環境中化学物質の高感度検出・計測技術の開発」プロジェクトの一環で開発したものです。=

  • センサーの特徴
    従来のセンサーは感度の上限が決まっていましたが、今回のセンサーはCCD(電荷電送)技術を用いることで、理論的な感度の上限がありません。半導体の表面電位(電気エネルギー量)の変化を、電子に変換して,それを別な容量(電子を水にたとえるとコップ)に転送することで雑音信号を混入させずに信号の増幅が可能です。
  • 測定原理
    センサー部表面に、測定する物質に感応し濃度に応じて表面電位が変化する処理を施しています。表面電位が変わるとセンサー表面に蓄積される電子の量が変化します。この変化を捉えることにより、目的とする物質濃度が測定できます。またその電子を転送することにより,測定に必要な信号出力を任意に増倍(ズーム)することで高感度検出を可能にしています。
  • 今後の展開
    今後は測定物質に反応する抗体、反応膜等のアプリケーションの拡充により、以下の応用分野への展開を図ります。
    <環境>・環境負荷化学物質高感度計測器:環境ホルモン、農薬、ダイオキシン・アレルギー反応物質検出チェッカー:アレルギー用キットセンサの開発(スギ花粉、ダニ、食品検査、細菌検査等、アトピー性皮膚炎疾患関連)
    <医用>・唾液などの生体液を測定対象とし、各種の簡易診断:例:ピロリ菌等・遺伝子診断への応用等
    <理器用>・pHその他各種のイオン、化学物質測定


参考資料

  • (株)バイオ・アプライド・システムズ 会社概要
    環境ホルモン、残留農薬、ダイオキシンなど環境負荷化学物質の高感度分析を市場とする子会社として2000年に設立。堀場製作所が培ってきた製品化、システム化の技術をバイオ技術と融合することで、環境分野の新たな市場開拓を目指す。現在は試薬キットや簡易型測定器などを開発中。環境負荷化学物質の測定に関して、数多くの研究実績のある神戸大学大川秀郎教授を取締役に迎えたことで、試薬開発に直接ご指導頂いている。

    会 社 名 株式会社バイオ・アプライド・システムズ
    資 本 金 5,000万円(株式会社堀場製作所100%出資)
    所 在 地 本社:〒601-8305 京都市南区吉祥院宮の東町2(堀場製作所内)
    TEL:075−326−3583、FAX:075−326−3584
    研究室:〒601-8394 京都市南区吉祥院中河原里北町24−2
    TEL/FAX:075−326−3948
  • 豊橋技術科学大学 澤田助教授のご紹介
    高性能な集積回路や量子デバイス、知的な機能を持つセンサ(インテリジェントセンサ)等の実現を目指して、新しい材料・構造の研究から、デバイス形成技術(プロセス)、センサデバイス、集積回路等の研究を行われています。

    <連絡先>
    〒441-8580 豊橋市天伯町雲雀ヶ丘1の1
    豊橋技術科学大学
    電気・電子工学系 助教授
    澤田 和明
    TEL/FAX 0532-44-6739 (ダイヤルイン)