CCDを用いたDNAバイオセンサーを開発 独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)支援で

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堀場製作所の100%子会社で、グループバイオ事業の中核を担う(株)ホリバ・バイオテクノロジー(本社・京都市、社長・河野 猛)は、富山大学工学部 篠原寛明教授、独立行政法人 産業技術総合研究所と共同で、CCDを利用したDNAバイオセンサーを開発しました。

=今回の研究開発成果は、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「遺伝子発現評価の標準化に向けた高感度即時検出型センサーの開発」プロジェクトの一環で開発したものです。=

今回のバイオセンサーは、2001年に開発したCCD抗体センサーの成果を基にしたものです。CCDの表面に特定の遺伝子と結びつくDNAを固定化させ、表面電位の変化から極微量のDNA・RNAを検出します。

従来のDNAチップは、検出時間が数時間かかっていましたが、今回のバイオセンサーは前処理が不要のため、10分以内で検出可能です。また半導体センサのため、多素子化が容易で、たんぱく質機能解明の鍵となる、たんぱく質相互作用解析に最適と考えます。

今後は、このバイオセンサーを搭載した計測装置の実用化に取り組み、特定遺伝子検出・遺伝子発現評価の世界標準を目指します。
ライフサイエンス分野への展開として、がんをはじめとする疾病の早期診断、薬物・環境汚染物質のスクリーニング、テーラーメード医療やゲノム創薬への貢献が期待できます。
 

参考資料

  • 富山大学工学部 篠原寛明教授のコメント
    バイオとエレクトロニクスをつなぐケミカルCCD」
    今回(株)ホリバ・バイオテクノロジー社のケミカルCCDセンサー技術と私たちが培ってきたバイオセンサーの構築技術を組み合わせて作製したバイオケミカルCCDセンサーは、複雑な生体分子や環境汚染物質を標識することなく高感度にしかも洗浄などの煩雑な手間を要せずリアルタイムに検出することができます。さらに半導体加工技術を利用するため今後の進展としての多素子化も極めて容易であるためDNAアレイに勝るハイスループットスクリーニング等にも利用できると期待しています。
    現在ポストゲノムとして、より迅速簡便な遺伝子診断や遺伝子発現解析またプロテオーム解析の実現が望まれるとともに、これからのオーダーメード医療や組み換え作物をはじめとする食の安全性チェック、また環境モニタリング等への応用が期待されていますが、まさにバイオケミカルCCDセンサーはその主役を担うと期待しています。
     
  • 株式会社ホリバ・バイオテクノロジー会社概要
    環境ホルモン、残留農薬、ダイオキシンなど環境負荷化学物質の高感度分析を市場とする子会社、株式会社バイオ・アプライド・システムズとして2000年に設立。(2003年4月に現在の社名に変更。)堀場製作所が培ってきた製品化、システム化の技術をバイオ技術と融合することで、環境分野の新たな市場開拓を目指す。
    これまで大学発の研究成果に加え、NEDO等のナショナルプロジェクトへの参加による成果として、環境中の微量化学物質に対する高感度検出・計測技術開発に必要な測定装置開発の基盤技術を確立している。

    資本金:5000万円(堀場製作所100%出資)
    設 立:2000年6月
    所在地:京都市南区吉祥院車道街48番地
    TEL075−692−1786、FAX075−692−1790
    社 員:20名
    売上高:9,200万円(2003年度実績)
    代表取締役社長 河野猛
    取締役会長 石田耕三(堀場製作所 取締役副社長)
    常務取締役 冨田勝彦