[報道発表] 掲載内容は発表日時点の情報です。

世界で一番小さなGPS機能付環境計測ステーション

1999年3月 5日


(株)堀場製作所は、pH、濁度やイオンなど13項目を同時測定するにとどまらず、GPS機能(オプション)により計測データの3次元解析ができる、携帯型の水質評価測定器
U−23を発売します。発展途上国の環境計測に低価格製品の提供で貢献します。

標準価格:80万円(ケーブル長10m)
U-22:58万円(同10m)
U-21:38万円(同2m)
システムユニット:38万円
販売開始:3月15日
販売目標台数:2,000台(3機種合計,含む輸出)


環境保全に向けた規制のためには、まず実態把握が必要です。それも、定点観測を多地点で継続して行うことが、汚染原因の特定や環境に与える影響などの解析には重要です。
U−23は、pH、濁度や溶存酸素などの基本的な水質項目に加えて、環境汚染で重要な指標の硝酸や塩化物といったイオン濃度など13項目を同時測定する携帯計測器です。
センサ部は水深100mまで対応し、河川や湖沼の浅瀬はもちろん海洋やダムなど深い場所の水質検査・調査も可能です。
さらに、オプションのGPSとの接続(システムユニットに装備)で、緯度・経度・水深の三次元の位置データに基づく解析ができます。
1台で多地点観測が可能な本器を使えば、観測地点ごとに高価で大掛かりな計測室の建設が不要と、コスト面・操作面で発展途上国のニーズに対応します。
なお、イオン測定を省いた22形(10項目測定)と、8つの重要項目に測定対象を絞った21形も同時発売します。(U−20シリーズとして3機種発売)


〈 主 な 特 長 〉

  1. 13の水質項目を一度に測定(23形)
    pH,溶存酸素,導電率,水温,海水比重,TDS,ORP,濁度,水深,塩分,硝酸・塩化物・カルシウムイオンを同時に測定(22形:10項目,21形:8項目)
  2. 測定データを三次元解析(23形,22形)
    GPS,プリンタなど拡張装置をセットにしたシステムユニット(オプション)の接続で測定データの三次元(緯度・経度・水深)処理が可能
  3. 100mの深さまで測定対応(23形,22形)



〈 主 な 仕 様 〉
測定項目:pH,溶存酸素,導電率,水温,海水比重,TDS,ORP,濁度,水深,塩分,硝酸・塩化物・カルシウムイオン
外形寸法:(本体)100W×55D×170Hmm(475g)
(センサ部)95W×46D×430Hmm


〈 用 途 例 〉
河川や湖沼の水質調査、海洋調査、都市下水の生活排水調査、工場排水の連続水質調査、農業用水の水質調査養殖場の水質調査、井戸水や地下水のボーリング調査、ダムの連続水質調査、プールの水質調査など




(お客様からのお問い合わせ先)
(株)堀場製作所カスタマーサポートセンター
TEL.0120-37-6045(フリーダイヤル)



参考資料

〈 用 語 説 明 〉

  • pH−液体の性質を酸性,アルカリ性,中性で表す指標。7が中性で、それより数字が高いほどアルカリ性が強く、低いほど酸性が強い。
  • 溶存酸素−水中に溶けている酸素の量。汚染度が高いほど溶存酸素は少なくなる。
  • 導電率−電気の通りやすさを表す。水の中に溶け込んだ物質が多いほど電気は通りやすくなる。
  • 海水比重−海水の密度を表わす。海洋の観測では導電率や塩分よりも幅広く用いられる。
  • TDS−全溶存固形物質。導電率が液体に溶けている固形物やガスを含む全ての指標であるのに対してTDSは溶存固形物質のみを表す。
  • ORP−酸化還元電位。水が汚れていると多くの場合、酸化状態になりORPは上がる。工場用水の水質指標に利用される。
  • 濁度−濁り度合いから汚れを判断する指標。汚れ具合を大まかに判断できる。
  • 硝酸イオン−水中の窒素酸化物はリン化合物と共に、河川や湖沼を富栄養化させプランクトンの異常発生の原因となる。酸化の過程で酸素を多量に消費するため、水中生物にとって有害な物質。
  • 塩化物イオン−生活排水など人為的に排出されたものが大半で、汚れの指標のひとつ。
  • カルシウムイオン−飲用天然水ではカルシウム硬度として重要な指標。工業用水としては配管の固形付着物の原因となるため濃度管理が重要。
  • システムユニット−GPS,プリンタ,グラフ表示機能付きパソコンソフト,システムユニット装備の機器全体を駆動する長期間対応バッテリーをアタッシュケースにまとめたオプション。測定器と接続することにより、測定したその場で位置情報を含むデータ集計や解析ができる、動く水質環境計測ステーションに発展。
  • GPS−全地球測位システム。複数の人工衛星からの信号電波を受信して位置(緯度,経度)を測定するシステム。GPSと本器のデータを合わせれば、三次元データに発展できる。



◆開発者からの一言◆

−2年がかりで水深100m対応の新型センサを開発−
溶存酸素(DO)の測定には、酸素を介して出る電流から濃度を求めるという原理上、DOセンサに常に新しい水(液体)をあてる撹拌機構がついているのが一般的です。
しかし、水深100m(水圧10Kg/cm2)に対応となると高価になり、低価格で提供というコンセプトからはずれます。そこで、撹拌機構ナシでも測定できる新型センサの開発に着手しました。検出部分を小さくし当社従来品に比べ1/70と必要な酸素量を大幅に減らした撹拌機能不要のセンサの開発に成功。開発期間は2年と本器の内で一番時間がかかりました。

−デファクトスタンダードを目指す−
従来から販売している携帯型水質チェッカをベースに開発。その結果、他社の同クラス製品の価格帯が150〜200万円するところを、100万円以下と低価格で提供できることになりました。価格が圧倒的に安価になったことで、今まで使われていた一部の層だけでなく、重要項目を絞って測定されていた層へも普及することを確信しています。中位層への普及によって、本器がデファクトスタンダードになることを期待しています。また、安価で提供することを通じて発展途上国の環境保全に貢献することを誇りに思います。