粒子径測定装置(LA-950V2)を発売

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当社は、レーザ光を使って微粒子の大きさを測定する、粒子径分布測定装置の新機種「LA−950V2」を8月29日に発売します。
本製品は従来機種(LA-950)の高性能な本体構造を踏襲した上で、4種類のカスタム仕様(*1)と8種類のアクセサリ(*2)と条件や試料形状に適した測定状態をきめ細かく提供するバリエーションを用意することで、お客様のさまざまなニーズに幅広く対応します。
本製品はグローバル市場をターゲットにした世界戦略製品であり、現在の国内シェア30%を2010年に50%に、そして世界シェアは約2倍の30%への向上を目指します。


各種の工業プロセスで取り扱う粉体の“粒子”の大きさは、製品の機能性を特徴づける大切な要素の一つです。粒子径分布測定装置はセラミックスや顔料、電池材料、触媒、化粧品、食品、製薬など、幅広い分野で研究開発から品質管理の目的で使われています。
現在も、ナノテクノロジーの発展に伴い、粒子の微細化・複合化がますます進み、その市場規模は世界で年間230億円を超え今後も年数%の拡大が見込まれています。

四半世紀以上の販売実績があり同装置市場で、世界シェア約13%、国内シェア約30%を占めている当社は2004年、10 nmから3 mmという30万倍のワイドレンジ、±0.6%の高精度測定をわずか1分間で測定できる、業界一の高性能装置LA-950を発売し、品質管理や研究開発分野で高精度データを提供してきています。

他方、ユーザーが測定される試料(粉粒体)は、固体が微小化したものだけでなく、液体が粒になったもの、壊れやすいもの、互いにくっつき易いもの、液体に溶けるものの、霧状のもの、直ぐに液中に沈んでしまうものなどさまざまな形態や性質があり、試料ごとに最も適した測定方法を要望されます。

このようなさまざまな測定方法に限りなく全てに対応するため、LA-950V2では、試料前処理機構部分で4種類のカスタム仕様(標準型を合せて5種類)と、本体に付け外しする前処理用アクセサリー8種類をラインアップしました。

これらの多種の取り揃えにより、これまで測定できなかった、また測定が難しかった粉粒体の粒子径の測定がより正確で迅速しかも簡単にできます。本製品は、粉はもとより今ヒットしている“消臭スプレー”のような霧状や、ジェラートのようなスラリー状と、幅広い形態や性質に対応する本体機種とオプションを取り揃えたことにより、日本国内のみならず、成長が著しい中国市場を含め米国や欧州などグローバル市場をターゲットにした世界戦略製品として、全世界に向けて拡販展開していきます。


〈主な特長〉
1) 業界一広い測定レンジ(10 nm〜3 mm)を一度に高速測定

950形に続き独自の高感度二波長光学系により業界で一番幅広い測定レンジを提供。
さらに、強力ポンプ搭載の循環系で、業界一早い測定が可能
→ 短時間で一度に広い範囲を測定することで、頻繁な測定が必要な品質管理分野でもストレスなく測定をこなすことができます。

2) 多種のアクセサリは、工具不要の簡単操作で取替え可能。
様々なサンプルを測定する研究分野でも、簡単操作で測定できます。
→ 測定サンプルが頻繁に変わる研究分野でも、お客様の負荷を軽減します。

3) 7種類の単分散粒子と、4種類の多分散粒子による精度保証
 ・ 単分散粒子 : 0.03, 0.1, 0.5, 1.0, 12, 100, 1000μm
 ・ 多分散粒子 : 3-30, 10-100, 50-350, 150-650μm
→ LA-950V2の広い粒子径範囲全体で性能を確認することで、装置性能をしっかりと管理できユーザーに安心を提供します。


〈測定分野と用途例〉
「セラミックス」
 ファインセラミックス粉体材料の研究開発、材料出荷・受け入れ検査。
「化学工業」 樹脂・顔料・接着剤・高分子などの機能性向上、合成手法の研究開発・品質管理。
「薬品・化粧品」 製剤、造粒、粉砕、コーティングなどの研究開発、品質管理。
「触媒・電池材料」 新規材料開発、改良など研究開発、品質管理。
「半導体材料」 半導体ウエハ研磨用研磨剤の製造管理、封止材の開発、管理など。
「食品・飲料」 味、舌触り、賞味期限のコントロールなど。


〈標準価格〉 980万円(標準タイプの水/エタノール循環仕様)


〈販売目標台数〉 初年度 200台、次年度 300台


〈主な仕様〉
測定方式 : レーザ回折/散乱式
測定範囲 : 0.01〜3000μm
測定時間 : 約1分(分散媒注入から循環系洗浄、および粒子径分布結果表示まで)
外形寸法 : 705(W)×565(D)×500(H)mm
質量(本体): 約56kg


カスタム仕様 (*1) ← 測定の前処理の仕方を試料の性質や測定シーンに合せて全5種類用意

● 標準タイプ(=水/エタノール循環仕様)
180〜250 mLの水やエタノール中に測定サンプルを分散させて測定ものです。
最も一般的な測定方法であり、液中で溶解しないで安定して分散する粉体やエマルジョンの測定に広く用いられます。

(1) 水道直接注入仕様
分散用液を、水道等の加圧配管から直接注入します。分散溶液用のタンクを用意したり液を入れる手間が省けるので測定頻度が高い場合に適しています。

(2) 大容量仕様
分散用液量が5倍の装置です。一度に約5倍量のサンプルを測定できます。
測定値がばらつきやすい試料や大粒子から細粒子までいろいろなサイズが広く混じった試料でも、2〜3倍の再現性向上が期待できます。

(3) 有機溶媒仕様
分散用液として、有機溶媒が使用できます。水に溶けやすい試料の測定や、有機溶媒でないと安定して分散しない場合などに使用します。

(4) 循環系なし仕様
試料前処理用循環装置を搭載しない装置です。バッチ式セルや乾式測定ユニットなど、アクセサリを使用した測定に特化した機種です。


アクセサリ (*2) ← 本体に工具なしで脱着する試料に合せて測定をより正確でスムーズにするオプション機構

(1) バッチ式セルホルダー
わずか10mLの試料液(通常の約20分の1の量)があれば測定ができます。貴重サンプルの測定や、測定に使った有機溶媒の後処理量の軽減に役立ちます。

(2) ミニフロー(超音波分散機能つき)
注入ポンプや超音波分散機能を内蔵しながら、僅か35mLの試料液(通常の約5分の1の量)があれば有機溶媒を用いた測定ができます。有機溶媒は廃液処理が必要でその処理にコストがかかりますが、使用量が5分の1になることで廃液処理コスト低減にもつながります。

(3) ミニフロー(超音波分散機能なし)
(2)の超音波分散機能のない機種です。エマルジョンの粒子計測など、超音波分散が不要な場合に使用します。

(4) ペーストセルホルダー
磁性試料など、放置すると状態が変化しやすい試料の測定に対応します。

(5) 乾式測定ユニット
粉粒体を分散用液など液体中に入れずに乾燥状態のまま測定します。粉末状の薬品や食品など、液体で溶けやすいサンプルの測定に用いられます。

(6) スラリーサンプラー
最大60個のスラリー状試料を全自動で測定して、オペレータの負担を軽減します。セメント用砂等の品質管理に使用されます。

(7) オートサンプラー4
最大24個のサンプルを全自動で測定して、オペレータの負担を軽減します。粉状、スラリー状、ペースト状など、いろいろなサンプルの種類に対応します。

(8) スプレーユニット
部屋や衣服の消臭ミストなど、霧状粒子のサイズ測定ができます。