ホリバ・インスツルメンツ社、MANTA Instrumentsの全株式を取得

|   ニュースリリース
イメージング解析技術でブラウン運動するナノ粒子を計測

当社のグループ会社であるホリバ・インスツルメンツ社(本社:米国)は、2019年1月24日(米国時間)、ナノ粒子計測機器を開発、製造、販売するMANTA Instruments, Inc.(米国・サンディエゴ 以下、MANTA社)の全株式を取得し子会社化しました。MANTA社は、カリフォルニア大学サンディエゴ校において開発・特許化された「複数波長光源を用いたナノ粒子トラッキング技術」の画像解析を利用したナノ粒子計測技術で高い評価があり、他社にはないユニークな技術を有しています。これにより粒子計測技術を拡充し粒子計測事業を拡大いたします。


株式取得の理由・目的

当社は、ライフサイエンス分野、半導体分野、環境分野などで使用する粒子計測機器を開発、製造、販売しております。この度、粒子計測機器における更なる事業拡大のために、ナノ粒子計測機器の開発に高度な技術をもつMANTA社の株式を取得し、子会社化することといたしました。
MANTA社の現行製品である「ナノ粒子計測機器ViewSizer3000」は、液中にブラウン運動(*1)しているナノ粒子にレーザー光を当て、粒子を追跡し、イメージング解析によって10ナノメートルからの粒子径分布、粒子数濃度、凝集状態を高い分解能で評価します。また、蛍光モードでは蛍光標識された粒子の測定結果を得ることができます。この製品は、ナノ領域の化粧品や触媒、半導体などの分野のみならず、粒子数濃度を必要とするバイオ・ライフサイエンス分野と医薬品研究分野でもお客様のニーズに貢献できると期待しています。
また、MANTA社が販売しているViewSizer3000が対象となる粒子計測機器の市場規模は2019年に世界で20.6億円、2022年まで8.4%の平均成長率で拡大が見込まれています。(当社調べ)
 
(*1)ブラウン運動(Brownian motion): 液体のような溶媒中に浮遊する微粒子が、不規則(ランダム)に運動する現象 
 

測定分野と用途

  • ライフサイエンス: タンパク質の凝集/結晶化、エクソソーム、ウイルスや抗体医薬品などの研究開発
  • 農林業、水、家電: 殺菌や浄化作用があるファインバブル
  • 半導体材料: 半導体ウエハ研磨剤の製造管理、半導体用超純水の品質管理
  • 環境分野: 水質と処理(水中ナノ粒子数)
  • 医薬品・食品・化粧品: 粒子の濃度管理が必要な医薬品業界、超希薄な試料を分析
  • 機能性ナノ材料: 触媒材料、カーボンナノチューブ
  • 触媒・二次電池: 新規材料の開発、改良など研究開発、品質管理


 
今後の施策と展望

買収完了後、ホリバ・インスツルメンツ社にMANTA社の開発、生産機能を移管し、既存技術との連携を図りながら次期製品開発へ展開する予定です。本画像処理技術を既存の光学技術と融合し、従来の粒子計測分野のみならず、体外診断・再生医療およびバイオ医薬品の研究、開発分野での貢献も期待できます。更に、半導体分野のCMP(化学機械研磨)スラリー、環境分野である水中のナノ粒子計測にも事業展開を進めます。

 
MANTA社の概要

名称
MANTA Instruments, Inc.
代表者
Rick Cooper
所在地
7770 Regents Rd#113-573 San Diego, CA USA
設立
2014年9月
事業内容
ナノ粒子計測機器の製造及び販売
従業員数
6人
MANTA社 ナノ粒子計測機器 ViewSizer3000
MANTA社 ナノ粒子計測機器 ViewSizer3000