[報道発表] 掲載内容は発表日時点の情報です。

NASA国際宇宙ステーションに電気伝導率計を納入

2009年10月23日


医療用輸液製造 宇宙空間の健康にも貢献

当社は、アメリカ国立航空宇宙局(NASA)から採用された電気伝導率センサーを、国際宇宙ステーション(ISS)で使用される医療用輸液製造装置(IVGENシステム)用に納入します。

IVGENシステムは、ISSに滞在する宇宙飛行士の初期治療に備えるもので、微小重力という特殊な環境下でも人の健康を守る、いわゆる“宇宙空間の最先端医療装置”です。

当社のセンサーは、少量の溶液でも安定した計測ができ、かつ通液部が透明ガラスのため気泡混入の有無を外部から目視できることが採用の決め手となりました。輸液は外科手術にも利用され、高い精製度の純水や製造時の気泡混入リスク回避などが求められます。当社のセンサーは世界中の10社の中から厳選され、人類の宇宙開発プロジェクトに貢献します。なお、2010年3月にスペースシャトルで打ち上げられISSに設置予定。

ISSでの輸液製造について

ISSに滞在している宇宙飛行士が怪我や病気をした場合に備え、緊急医療体制を整備する必要があり、輸液の確保は欠かせません。しかし、地上から輸液をスペースシャトルで運搬するには膨大な貨物スペースや燃料を浪費します。また地上で製造した輸液には使用期限があり、長期滞在ミッションでは期限切れになり使えないことも予想されます。このため、NASAはISS内部で使われている水を利用して輸液を製造するIVGENシステムを開発しました。ISSで使われる水の純度を上げて、その純水に結晶塩を溶かして点滴液を作る方法を採用しています。製造した純水と結晶塩は米国医方局(USP)の規格を満たしています。なお、IVGENシステムは2010年3月にスペースシャトルで打ち上げられISSで運用予定で、滞在する宇宙飛行士の怪我や、あるいは急性貧血など水分補給が必要な治療に利用され、貢献します。

医療用輸液製造装置(IVGENシステム)について

IVGENシステムは、ISSの微小重力という特殊な環境下で、純水および点滴静注用の輸液を製造する装置です。水中のイオン成分を除去するイオン交換樹脂、気泡除去装置、フィルターなどで構成され、通水部分はガラス製の配管を採用し、外部から水に気泡が混入しているか目視できる構造です。また小型カメラを搭載した微小重力用グローブボックスの内部に設置され、システムの運転状況を監視できます。IVGENシステムは地上での利用も検討され、特に医療機器が不足している開発途上国で輸液提供へ応用し、地上でも人の健康に貢献できると期待されています。

電気伝導率センサーの役割

製造する純水及び輸液は、高い純度が求められるだけでなく、血液中に入ると危険なため気泡の混入が許されません。そこで、NASAから純水の水質を管理でき、かつ、気泡の混入を確認できる電気伝導計が求められました。微少量の純水の電気伝導率を感度良く検出し、また気泡の混入を目視で監視できる機能が、宇宙空間でIVGENシステムを稼動させる重要な役割を担っています。

当社製センサーについて

電気伝導率電極 「3574-10C」

純水を“透明ガラス管”に通しながら、“連続的に高い精度”で電気伝導率を測定できるフロースルータイプ。特長とIVGENシステムの水質監視のため採用された理由は以下。

  1. 業界トップクラス最少量計測(検出部内容量0.25 ml)
  2. 気泡がみえる 通液部に透明ガラスを採用
  3. フロースルータイプの高感度センサー

 

参考資料

電気伝導率

電解質溶液の電気の通りやすさを表す。身近なもので食塩(NaCl)が電解質で、水中でナトリウムイオンや塩化物イオンとなり、電気を運ぶ粒子(イオン)になります。電解質溶液のイオン濃度が高いほど電気伝導率は高まり、同時にその値から電解質溶液の濃度を予測することができます。今回、ISSではIVGENシステムで水質管理に利用されます。

電気伝導率センサー用途としては、一般的には、河川水や湖沼水などの環境水および産業用水の水質測定、海水の塩分測定などでご利用いただいています。