[報道発表] 掲載内容は発表日時点の情報です。

世界初 微量pH計を開発 試料量を99%削減 

2015年12月14日


 “pHで見える化”半導体プロセスの薬液の変質を監視


微量サンプリングpHモニター「UP-100」

当社は、500マイクロリットル(リットルの100万分の1)の試料量でpHを連続測定できる世界初(*1)の製造プロセス向け微量サンプリングpHモニター「UP-100」を開発しました
当該装置により、半導体の洗浄やエッチング工程で薬液のpH常時監視が初めて実現します。薬液の変質を“pHで見える化”し、プロセス不具合の早期発見につなげ品質向上や生産効率向上に寄与します。また、測定用の試料量を当社従来機比で99%以上削減したことで、高価な薬液の消費量を抑制でき、連続測定によるコストを大幅に低減します。加えて、6か月間保守作業が不要(*2)な設計によりプロセスのダウンタイムも最小化します。pH常時監視が半導体業界で標準となるよう提案力を強化します。

(*1)マイクロリットル単位で連続測定できるプロセス用pHモニターは世界初。(2015年11月現在 当社調べ)
(*2)連続測定の場合6か月間不要。耐薬品性能は試料に因る。(2015年11月現在 当社調べ)

最先端の半導体生産技術の動向

IoT(モノのインターネット)を推進する動きが活発化する中で、クラウドコンピューティングやビッグデータの実用化など、われわれの周囲で取り扱われる電子データ量は急激に増加しており、その保存や処理に必要な半導体チップの生産量も増加しています。加えて、エコカーの普及や自動運転化など車の電子化が進み、多分野で電子部品の応用展開が加速しています。
その中で、半導体チップは、更なる高性能化/小型化/コストダウンにむけて、微細化/高集積化が進み、その製造プロセスも高度化しています。半導体の洗浄やエッチング工程では使用される薬液の組成や濃度によってエッチング速度や不純物除去率が左右されるため、厳密なプロセス制御が必要とされます。加えて最近の薬液は高価なため、その使用量の低減も求められています。
例えば、洗浄による半導体のゴミ除去においては、アルカリ性・酸性を数値で表すpHが重要な指標であることが知られています。しかし従来のpHモニターは測定に多量の薬液を消費するほか、メンテナンスのため定期的に装置を停止する必要があり、コスト的にも作業的にも負担が大きいものでした。
従来のpHモニターは、コストや取扱いの煩わしさのためにプロセス用途としては必ずしも実用的ではありませんでした。このたび当社は、pHをプロセスで連続測定できる微量サンプリングpHモニターを開発し、pHの常時監視という新たな薬液管理システムを提案し、次世代の情報化社会を支える半導体プロセスの改善に貢献します。

主な特長

  1. 自動メンテナンス機能を搭載し、作業負荷を低減
    当該製品は測定に必要な校正を自動で行い、保守作業は半年に1回の試薬ボトルの交換のみで済みます。これによりメンテナンス作業の省力化を実現し、製造プロセスのダウンタイムを最小化します。
  2. 試料量を99%以上削減 1測定あたり500マイクロリットル
    創業来のpH計測技術を発展させ、新たに超小型キャピラリーpH電極を開発。1測定あたり500マイクロリットル(当社従来当社機の場合は200ミリリットル)という極めて微量なサンプリングでの測定を実現しました。
  3. 気泡影響を低減し、高安定な測定を実現
    従来のpH電極は、表面に気泡が付着すると測定値が不安定になっていましたが、当該製品ではより気泡が付着しにくい新構造の電極を開発、採用しました。また、気泡の付着に由来するノイズの影響を低減する演算処理を施し、測定値を安定させています。

開発者コメント

当社の創業製品であるpHメーターをベースとしつつ、製造プロセスでより便利にご使用いただけることを追及した製品です。長年培ったpH計測技術、これまで最先端の半導体製造現場でのインライン薬液測定で培ったノウハウ、そして先端の微量計測技術の融合から生まれました。従来のpH電極に対し、校正などのメンテナンスの煩雑さ故にpH導入をためらわれていたお客様に対して新たなソリューションをご提供し、製造効率向上、品質向上に貢献します。

主な仕様

 

質量・寸法

センサー部:200(W)×118(D)×269(H)mm ・3.5kg
表示部:96(W)×135(D)×96(H)mm ・0.2kg

測定原理

pHガラス電極法

測定範囲

pH 0 – 14(小数点第2位まで表示)

薬液温度

20~60℃