[報道発表] 掲載内容は発表日時点の情報です。

ナノ粒子解析装置「SZ-100」9月2日発売

2009年8月27日


《測定レンジ10倍/感度100倍》
業界一ワイドレンジで業界一高精度

当社は、ナノ物質の大きさやその表面の電荷を計測する、卓上サイズのナノ粒子解析装置「SZ-100」(=ナノ・パーティカ)を9月2日に発売します。

高度な研究所で使われるような濃度が薄くかつ“サブナノ (*1)”と超微細粒子の計測が可能です。ナノ粒子の挙動や分散形態、安定性を卓上で簡易に解析でき、バイオテクノロジーやナノマテリアルの分野の技術開発から、ナノレベルのセラミックや金属などの生産現場まで、最先端解析技術を提供します。また、ウィルスのワクチン製造にも役立てられます。

しかも、業界一ワイドレンジ(0.3 nm~8 μm)を持ちながら独自の光学系の開発で、最高性能も実現しています。《測定レンジ10倍/感度100倍》研究部門から品質管理の生産現場のニーズに対応する装置です。2014年までに国内で40%、世界でシェア20%を目指します。

ナノ粒子解析市場では

ナノ材料やバイオマテリアル分野では、原材料粒子の大きさや均一性が、製品の機能や特性に大きな影響を与えます。素材を極めて微細なナノレベルまで微細化した状態でかつ粒子の数が少ない状態で解析し品質を管理することが、製品性能の鍵となります。そこで、今まで研究部門で使われていた専門知識が必要で操作性が複雑、かつ粒子数自体が少ない中で超微細粒子解析を、高精度はそのままに誰にでも簡易に扱える装置が求められています。

ナノ粒子解析装置 SZ-100(愛称:ナノ・パーティカ)について

このたび当社が開発した装置は、「光子相関法 (*2)」という“サブナノ”領域計測に対応する測定原理の採用で、研究レベルと同等の性能を持ち、さらに生産現場に対応した、デスクトップタイプ(50×37×24cm)と生産現場対応の小型化を実現しています。

そして、独自理論による粒子計測時間間隔の考案により、当社製品比では10倍、業界他社製品比3倍の業界一のワイドレンジを持ちながら感度が100倍(自社製品比)と“研究部門の装置を現場に持ち込んだ”装置に仕上げました。

また、粒子の大きさとともに、粒子の分散性や凝集性などの指標となるゼータ電位 (*3) を測定でき、詳細な解析に貢献します。さらに、タンパクや高分子の分子量も測定ができます。

このように、新技術開発をおこなう研究所レベルの解析を、品質管理を行う製造現場でも容易に提供します。

2種類の測定について

本装置では、シングルナノ粒子径 (*3) と、凝集性を示すゼータ電位を、溶液中の粒子にレーザを照射することで測定します。光子相関法による粒子径計測では、高輝度レーザ光源や新開発の光学系の採用により、1 ppm (*4) という薄い濃度の20 nm粒子が検出でき、シングルナノ粒子の計測も可能です。

また、粒子凝集性を示すゼータ電位測定は、自社同等製品比 1/7以上と容量の小さい100 μL(0.1 mL)のセル(=試料入れ)を新規に開発し、サンプリング量が限られた貴重な資料の計測に貢献します。

ナノ粒子解析装置の用途

食品や医薬品、化粧品、工業用材料、セラミックなど、ナノテクノロジーは多岐にわたる分野で応用が進んでおり、それぞれの分野でナノ粒子の解析が求められています。たとえば、ウィルスの迅速なワクチン製造にも貢献が期待されます。ナノ粒子の挙動や分散形態の計測が5分程度ででき、種類の多いウィルスの大きさや種類を推定するデータがすぐに得られ、ウィルスに適合したワクチン製造に役立てられます。前処理などに半日以上を有する電子顕微鏡に比べ、その迅速さが研究段階からワクチン製造の品質管理まで工期短縮を可能とすると期待されています。欧米、日本を中心に世界の最先端研究から製造現場まで、50億円と言われるナノ粒子解析市場で、2014年までに国内で40%、世界でシェア20%をめざします。

測定分野と用途例

  • 食品・飲料 → 味、舌触り、賞味期限のコントロールなど
  • 半導体材料 → 半導体ウエハ研研磨剤の製造管理、封止材の開発、管理など
  • 薬品・化粧品 → 製剤、造粒、粉砕、コーティングなどの研究開発、品質管理
  • 化学工業 → 樹脂・顔料・接着剤・高分子などの機能性向上、合成手法の研究開発・品質管理
  • セラミックス → ファインセラミックス粉体材料の研究開発、材料出荷・受け入れ検査
  • 触媒・二次電池 → 新規材料開発、改良など研究開発、品質管理
  • 酵素、ウィルス、タンパク質、エマルションなどバイオマテリアルの研究開発
  • CNT、金属コロイドなどナノ材料の研究開発、品質管理
  • 高分子、タンパク質、多糖などの分子量測定 (*5)

主な特長

  1. 業界一の測定レンジ:0.3 nm~最大8000 nm (8μm)を実現。(自社製品比10倍)
    サブナノ分子からミクロン単位の粒子までの大きさを1台で測定
  2. 業界一の微小容量:100 μLでゼータ電位測定セル
    バイオマテリアルやナノマテリアルの貴重な資料でも測定が可能に
  3. 自社同等品比100倍の高感度
    高輝度レーザ光源の採用と低光ノイズを実現した光学系を独自開発

標準価格

850万円 税別(粒子径、分子量測定)

1200万円 税別(オプション ゼータ測定ユニット付き)

販売目標台数

初年度

110台(国内50台/海外60台)

次年度

170台(国内70台/海外100台)

3年後

200台(国内90台/海外110台)

主な仕様

外形寸法:

527W×385D×73H (mm)/質量(本体):約30kg

測定項目:

粒子径計測、ゼータ電位計測、分子量計測 (*5)

粒子径測定原理:

光子相関法

粒子径測定範囲:

0.3 nm~8 μm

粒子径測定精度:

±2%(ISO13321に準拠)

ゼータ電位測定原理:

電気泳動レーザドップラ法 (*6)

 

参考資料

  • 粒子径測定について
    ナノ粒子の大きさを測定する粒子径測定は、溶液中にレーザを照射して粒子が発した光を検出して、粒子径を測定します。発する光の強度の変動を検出することで、粒子の移動速度を演算器を使って測定できます。異動する速度は粒子の大きさと相関があるため、独自理論の演算により粒子径を求めます。

  • ゼータ電位測定について
    ナノ粒子の凝集性を示すゼータ電位測定は、電圧をかけた溶液中粒子の移動速度から測定します。まず、溶液と浸した2枚の電極版に電圧をかけます。溶液中のプラスの電荷を帯びた粒子はマイナスの電極方向に、マイナスの粒子はプラスの電極方向に移動します(電気泳動)。このときレーザを照射すると電気泳動している粒子からの光は周波数に違いがみられます。つまり、溶液を通さないレーザとの間に周波数に違いが生じます(電気泳動レーザドップラ法)。その違いから粒子の移動速度をもとめ、ゼータ電位に換算します。

  • 用語解説
    (*1) サブナノ
    ナノは10億分の1を表し、ここでは1ナノメートル(10億分の1メートル)未満の大きさを示し、分子レベルの大きさ。

    (*2) 光子相関原理
    粒子から発生した光(光子)を時系列に測定すると、自己相関関数という計算式を使って、粒子の移動速度を測定できます。この自己相関関数を解析することで大きさを測定する手法。

    (*3) シングルナノ粒子
    10 nm以下の微粒子で、酵素、フラーレンやデンドリマーに代表される微粒子。

    (*4) 1 ppm
    これは「100万分の1」という割合を表しています。つまり1万分の1%です。1 ppmを具体的にいうと、長さ25 m、幅10 m、深さ1 mのプールに溜めた水(250トン=250,000 kg)に、コップに約一杯半の塩(250 g)を溶かした時の塩分の割合ということになります。人間の味覚では判らないほど。

    (*5) 分子量測定
    たとえば化粧品に使われる、動物由来の安価な合成ヒアルロン酸などを製造した際、いくつの分子がくっついているかを検査するために測定されます。バイオや合成素材などの分野で、研究開発から品質管理まで幅広く活用される。

    (*6) 電気泳動レーザドップラ法
    サンプルに照射したレーザと照射していないレーザの周波数の違いから、粒子の電気誘導する速度を測定する手法。粒子同士が凝集したものほど、粒子の電気誘導する速度は遅くなるという規則性を用いてゼータ電位を求めます。