日本初 "取説"のいらないX線分析装置発売

|   ニュースリリース

当社は、電子顕微鏡と組み合わせ、試料から出るX線を利用して、微小部の元素の分析を行う、エネルギー分散型X線分析装置の新型(EMAX ENERGY)を開発、4月12日から受注開始します。

日本語によるナビゲータ機能とヘルプ機能を搭載しており、日本で初めて"取扱説明書"が不要の、「操作しやすい」,「操作を覚えなくても良い」装置です。"簡単操作"の特徴をいかし、X線分析装置を使った検査のニーズが高くなっている、電子・半導体分野の品質管理工程などの新規市場にも拡販していきます。

さらに、メンテナンスや診断サービスにとどまらず、当社の情報ネットワークと接続してユーザーの分析データのコンサルタントも含めた、オンラインサービスに対応します。分析ノウハウという社内リソースをITと連動して活用する第1号機です。

なお、本装置は、昨年10月に包括提携を結んだ、英国のオックスフォード・インストゥルメンツ社(以下、オ社)の持つ基本技術と、国内トップシェアの当社が持つ顧客サポート力を融合したもので、昨年発売した蛍光X線分析装置に次ぐ、共同開発第二弾です。今後も互いの技術融合・協力を通じて、共に品揃えの強化をはかり、X線分析分野における世界市場の包囲を狙います。


〈 製 品 の 主 な 特 長 〉

  1. 電子顕微鏡の設定からレポート作成まで、操作ボタンをフローチャート化したナビゲータ機能。分析の手順がひと目でわかります。
  2. 画面上のアイコンやテキストボックスなどの意味・役割、操作手順を吹き出しで解説するバブルヘルプ。分析手順を示す番号表示付き。
  3. Be(ベリリウム:原子番号4)まで検出可能な高性能プレミアム検出器(EX-300,同400)

〈 用 途 例 〉
電子顕微鏡に接続して、試料の微小部領域の元素組成や元素分布を測定する。

  • ウエハや電子部品上の異物の
  • 新素材の開発研
  • 鉱物の組成研
  • 生体などの元素分布の観察など

〈 標 準 価 格 〉
EX−200→1,900万円
EX−300→2,350万円
EX−400→2,650万円

〈販売ルート〉日製産業株式会社
(本社:東京,社長:樋口 紀昭氏)

  • 本体外形寸法(標準ラック、プリンタを含む):800(W)×800(D)×1500(H)mm



参考資料

  • エネルギー分散型X線分析装置について
    電子顕微鏡と組み合わせて元素の定性および定量を行う装置です。電子線が試料にあたると、元素特有(元素ごとに異なる)のX線が出ます。このX線を検出器でとらえ、元素の種類や含有比率データを提供します。さらに、顕微鏡の画像に対応した元素分布の状態を表示するカラーマッピングまで行うことができます。鉱物などの研究に始まり、広く素材・材料の研究開発を主な用途として利用されてきましたが、半導体分野での品質管理では、異物や不純物の検査にも用いられています。ただ、条件設定や操作手順に熟練を要するため、新しい市場からは、"操作の簡単さ"が要求されていました。
     
  • 今回の新製品について
    X線分析装置の新市場の要求に対応するための"取説"のいらない装置をコンセプトに開発しました。操作手順をオペレーターに案内するサポート機能として、ナビゲータとバブルヘルプを採用しました。

    ナビゲータ機能は、分析の開始から報告書の作成までのステップをフローチャートに表示し、初めて装置を触れる人でも分析手順が理解できることをねらっています。

    バブルヘルプ機能は、画面上にアイコンやテキストボックスなどの意味や役割を吹き出しとして解説します。併せて、操作順序を示す番号も表示します。

    日本語による解説の充実により、取扱説明書を利用することなく、全ての操作を装置に向き合ったままで行うことが可能です。また、使用頻度の少ないユーザにも安心して使って頂けます。もちろん、”高精度・高レベル”な分析にも対応します。

    本装置は、検出範囲やデータ解析などのソフトにより3機種(EX−200、同300、同400)あります。EX−300および400は、ベリリウム(Be)まで検出可能な、高性能プレミアム検出器を標準装備しています。

    さらに、オンラインサービスによって、試料に最適な分析条件設定や、データ解析方法などの情報を提供します。装置の操作面(取説がいらない)に加えて、ITを活用した分析ノウハウの提供(オンラインサービス)と、単なる装置や操作だけでなく、分析データの解析までをサポートします。