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従来の電気冷却方式の弱点を全て克服!電子顕微鏡に振動影響を与えない液体窒素不要の新型X線検出器を開発

2002年8月28日


当社は、エネルギー分散型X線分析装置(EDX)の心臓部である、液体窒素を使わない新型X線検出器を開発、9月より受注を開始します。本製品は電子顕微鏡と組み合わせるため、新たに開発した超低振動の冷凍機を採用。従来までの電気冷却方式で課題となっていた電子顕微鏡に与える振動影響や冷却能力の問題を克服しました。X線分析装置のトップメーカーとして新たに本製品をラインナップに加えることで、顧客の多様なニーズに対応していきます。

<X線検出器の冷却>
エネルギー分散型X線分析装置(EDX)とは、電子顕微鏡(SEM、TEM)に取り付けて極微小領域の元素分析を行う装置です。電子デバイスや新素材の異物検査、材料解析に使われています。今回のX線検出器は、このエネルギー分散型X線分析装置(EDX)の心臓部です。一般的に検出器は微弱なX線信号をとらえるために、マイナス200℃程度まで冷却する必要があり、通常その冷却には液体窒素が使われています。液体窒素は毎週1〜2回定期的に補給する必要があり、取扱いに注意が必要で、クリーンルームへ持ち込む場合はゴミ発生の心配がありました。

<他の冷却方式>
このように液体窒素の取扱いには手間がかかるため、従来から業界では液体窒素を使わない、電気冷却方式がいくつか考えられています。しかし、メンテナンスが簡単でも、振動が強く電子顕微鏡観察に影響を与えたり、あるいは液体窒素と同等まで冷却温度が到達しないなどの問題があり、あまり普及するには至っていません。

<今回のX線検出器>
本製品は、X線分析装置の業界トップメーカーとして、顧客の品揃え要求に応える形で開発された、当社初の液体窒素を使わない電気冷却方式の検出器です。冷却に新開発の冷凍機を採用することで、超低振動を実現し電子顕微鏡観察に影響を与えません。具体的にはヘリウムガスの圧力波を利用することで、従来の電気冷却方式の欠点であった振動を克服しました。また、冷却到達温度も液体窒素よりも低い温度を実現しており優れた性能を確保しています。

さらに使い勝手の良さを追求するため、他社にはない当社独自の技術である、超高純度シリコンを検出器の素子に採用することで、使用時間帯のみ電源を入れておくことが可能になり、必要な時にすぐ使いたいという現場オペレーターの要望に応えています。また、ランニングコストも従来の液体窒素検出器と比べ、2分の1以下に押さえています。

当社では、従来の電気冷却法の弱点をすべて克服するため本製品を開発しました。X線分析装置のトップメーカーとして新たに本製品をラインナップに加えることで、顧客の多様なニーズに対応していきます。

参考資料

<主な特徴>

  1. メンテナンスが楽
    液体窒素不要/安全でクリーン
  2. 超低振動
    電子顕微鏡に振動影響を与えない
  3. 優れた冷却能力
    液体窒素以下の到達温度


<標準価格>
液体窒素冷却タイプ(標準タイプ)と比べて、240万円アップ

<販売目標台数>
初年度40台

<主な仕様>
エネルギー分解能:138eV(Mn Kα)
質量:約12kg(検出器本体)