2025年10月5日、滋賀県の愛荘町スポーツセンター秦荘グラウンド(愛知郡愛荘町)で開催された国民スポーツ大会 アーチェリー競技で、HORIBAアスリート社員の安久 詩乃選手・当社社員の山本 勇気選手が京都府チームとして出場し、団体戦で6位に入賞しました。また、個人戦では安久選手が6位入賞という結果となりました。
目標に向かって挑戦し続ける2人に、大会の振り返りや2025年の歩み、そして2026年の抱負を聞きました。
左:山本 勇気選手(2007年堀場製作所入社。法務部所属) 右:安久 詩乃選手(2021年堀場製作所入社。総務部所属)
安久選手
―今回の大会を振り返って、どんな試合でしたか?
安久:団体戦は予選通過ギリギリのラインでの戦いとなり、緊張感のある展開が続きました。当日は天候の変化も激しく、常に状況を考えながら一射一射に集中する必要がありました。それでも、矢を取って戻るたびに観客席からの温かい応援が目に入り、終始楽しく、笑顔で試合に臨むことができました。
山本: 私も応援に駆けつけてくださった皆様の心強い声援のおかげで良い試合ができたと思っています。団体戦では、例年より決勝進出の枠が少なく非常に厳しい戦いとなりましたが、楽しく試合に臨むことができ、現時点でのベストパフォーマンスを発揮できたと感じています。
山本選手
―今回の大会にあたって目標にされていたことはありますか?
山本: 今大会では、団体での入賞は絶対に達成したい目標でした。私は昨年からアスリート社員ではなく一般社員として競技と仕事に取り組んでいます。練習量が減り、疲れが取れないなかでの仕事は大変なこともありましたが、徐々に生活のリズムをつかみ始めていたところだったので、自分のベストを尽くしたいというおもいがありました。ファイナル進出は果たせず悔しさも残りますが、今回の素晴らしい仲間とともに入賞できたことは本当に嬉しいです。
-見事入賞につながった要因やポイントはどのようなところにあったとお考えですか?
安久: 大会に向けてコンディションをしっかり整えられたことが大きかったと思います。最近は肩のけがの影響で思うようなプレーができず、焦りから練習に没頭しがちでしたが、山本さんに相談しながら練習量や内容を調整し、無理のない形で大会に臨むことができました。そのおかげで、当日はこれまで以上に落ち着いて射(う)ち、自分の力を発揮できたことが入賞につながったと感じています。
―今年は、国民スポーツ大会のほか、6月に開催された第58回全日本社会人ターゲットアーチェリー選手権大会では山本さんが壮年女子の部で優勝、7月に開催された第73回全日本実業団アーチェリー大会では、安久さんが3位に入賞されました。2025年を振り返ってみて、どんな一年でしたか? 。
安久選手、第73回全日本実業団アーチェリー大会 3位入賞
安久:競技としては、アーチェリー人生で一番の決断をした1年でした。10月末に開催された全日本ターゲットアーチェリー選手権大会の結果が思うように出ず、大学2年生の時から7年間選ばれていたナショナルチームに入ることができませんでした。悔しいおもいもありましたが、2年前から痛めていた肩と向き合い、すぐに手術を決めました。2026年の試合からは2028年ロサンゼルスオリンピックへの出場に影響するので、良い時期に決断ができたと感じています。現在はすぐに競技に戻れるようリハビリを頑張っています。
仕事としては、今年も周りの方々に支えられた1年でした。手術をしても仕事を続けられているのは職場の方々の配慮のおかげです。支えてくださる皆さんのためにも、早く復帰していい成績を残したいです。
山本選手、第58回全日本社会人ターゲットアーチェリー選手権大会 優勝
山本:今年は1年間、一般社員としてフルタイムで仕事をしながら練習を続けていたので、体力的にしんどいと感じることも多くありました。ですが、この1年で両立するためのコツをつかんできたと感じています。そのような環境のなかで、2025年は「今できる自分のベストを尽くす」という目標で試合に向き合ってきました。今年は初めて壮年の部(40歳以上の選手の試合)に出場し、一般女子の部とは違ったアーチェリーの楽しみ方を知ることができました。アーチェリーのセカンドキャリアとしての道を若い選手に示すことができたら嬉しいです。一方で、全日本フィールドアーチェリー選手権大会では初めての1回戦負けを経験し、とても悔しいおもいをしました。今年は練習量が減ったなかで道具の調整がうまくできていなかったと感じています。身体・心・道具をうまく調整していけるよう日頃からメンテナンスを心がけます。
―最後に、2026年の目標を教えてください。
安久:2026年は、まずリハビリに専念し、夏の試合復帰に向けて調整を進めていく予定です。今年は全日本ターゲットアーチェリー選手権大会で悔しい結果となりましたが、来年こそは納得のいく成績を残すことが目標です。一度ナショナルチームから離れたことで、以前感じていた使命感やプレッシャーにとらわれることなく、昔のようなチャレンジ精神を持って試合に臨みたいと思っています。2028年ロサンゼルスオリンピックに向けて、まずは来年のナショナルチーム選考会を上位で通過できるよう一戦一戦を大切にしていきます。
山本:2026年は、まず5月に開催される全日本フィールドアーチェリー選手権大会での個人優勝をめざし、その勢いのまま、6月の全日本社会人ターゲットアーチェリー選手権大会では昨年に続く連覇を果たしたいと考えています。また、今年で18回目の出場となった国民スポーツ大会は、20回目の出場を達成することを新たな目標に掲げ、挑戦を続けていきます。さらに、全日本ターゲットアーチェリー選手権大会では安久さんとともに出場し、直接対戦できたら嬉しいです。現在は、アーチェリーの指導者資格も取得予定です。自分のこれまでの経験を活かして次世代育成に貢献し、若い選手が成長してトップ選手になっていくのを見届けることができるような指導者になりたいです。




