潜在的ルシフェラーゼ活性を利用したタンパク質分析技術

西原 諒* | |   技術論文

*国立研究開発法人産業技術総合研究所健康医工学研究部門
主任研究員

生物発光は,ルシフェリンがルシフェラーゼと呼ばれる発光酵素の触媒作用により酸化され,光を発する現象である。筆者は,生物発光イメージング技術の開発過程で,ルシフェラーゼが存在しない場合でもルシフェリンが発光する現象に着目し,ルシフェラーゼではないタンパク質が特定のルシフェリンの発光反応を触媒する「擬似ルシフェラーゼ活性」を持つことを発見した。本研究では,タンパク質が潜在的に持つこの擬似ルシフェラーゼ活性を利用し,ルシフェリンを試料に混合するだけで,タンパク質の量や構造変化を検出できるタンパク質の発光分析法を開発した。本稿では,本手法の原理と応用例を概説し,迅速診断および医薬品の品質管理への展開の可能性について述べる。