HORIBAは社是「おもしろおかしく」のもと、世界を舞台に活躍するアスリート社員を支援し、夢に向かってチャレンジできる環境を提供しています。
現在HORIBAに所属する安久 詩乃(あぐ うたの)選手は、アスリート社員としてアーチェリー女子ナショナルチームで活躍中です。
五輪開催年となった2024年は、彼女にとって大きな成長の年となりました。苦難を乗り越えながらも仕事と競技の両立に向き合い、10月27日に決勝トーナメントがおこなわれた「第66回 全日本ターゲットアーチェリー選手権大会」では見事初優勝を果たしました。さらなる躍進に向けチャレンジを続ける安久選手に、1年を振り返りながらアスリート社員としてのおもいを聞きました。
安久詩乃選手
京都府出身。同志社大学卒業後、2021年堀場製作所入社。総務部所属。
2022年アーチェリーワールドカップ第3戦 パリ大会 リカーブ女子 優勝。
2024年 第66回全日本ターゲットアーチェリー選手権大会 優勝
【2024年の主な戦績】
・第72回全日本実業団アーチェリー大会 準優勝
・第66回全日本ターゲットアーチェリー選手権大会 優勝
・2025年ナショナルチームに選抜
全日本ターゲットアーチェリー選手権大会で優勝した時の気持ちは?
これまでの全国大会では入賞止まりでなかなか1位を取ることができず、昨年の同タイトル試合も準優勝だったので、悔しい気持ちもたくさんありました。そんな中で、今回、最後まで勝ち切ることができたことは純粋に嬉しいですし、いまだに優勝の実感が湧かないくらいです。
全国大会の前は、試合に集中できるように約1週間前から休みをいただいており、今回は引き続きすぐにナショナル選考会があったため約1ヵ月半ぶりに出社しました。その際、「優勝おめでとう!」とたくさんの社員の皆さんに声をかけていただいたことで、ようやく自分が優勝したことが身に沁みてきました。
競技と業務の両立は日々の課題だと思いますが、特に気を付けていることや、注力していることはありますか?
最近は筋力トレーニングに力を入れています。これまでは、勤務時間の都合上、どうしても練習時間を夜にしか確保できなかったため、空いた時間はとにかく実技の練習がしたい!と思い筋力トレーニングにはあまり時間をかけていませんでした。しかし、最近は練習のスタイルを変えて、筋力トレーニングの割合を増やすようにしています。その分、朝早く出社して社内でフォームの練習をするなどして、時間の使い方に工夫をしています。全体の練習量は減りますが、安定感が出ますし、それが今回の優勝にもつながったと思います。
競技面で2024年はどのような1年でしたか?
3月に五輪の最終メンバーを決める選考会があったのですが、惜しくも2点差で選考に落ちてしまいました。それ以外にも肩を怪我してしまい、苦しいスタートとなりました。それから約1カ月は、思い出したら泣いてしまうほどに落ち込み、しばらく弓に触れなくなるくらいアーチェリーから心が離れてしまいました。
それでもやっぱり五輪出場が諦めきれず、次のロサンゼルス(LA)五輪に向けてがんばりたい気持ちを思い切って上司に伝えたところ、「そういうことなら応援するからがんばれ!」と嫌な顔ひとつせずに背中を押していただきました。アーチェリーで結果を出すことが一種の責任だと思い前向きになるとともに、会社の力強い応援に支えられているということを、苦しい思いをしたからこそ再認識することができました。
仕事面では、2024年はどのような年でしたか?
今年で入社4年目に入り、仕事への理解が深まった年でした。競技とのスケジュール調整にも慣れてきたので、あまり困ることなく過ごせた一方、どうしても練習のために仕事を途中で抜けたり、練習日にはミーティングを避けていただいたり、会社のことを理解すればするほど申し訳なさを感じるようにもなりました。それでも、アーチェリーは自分にしか出来ないことと考え、働きながら活動させていただいていることを忘れず、自分にできることを精一杯するように心がけました。
間もなく入社5年目を迎える今、株主様に向けて発行する事業報告書の作成など、より重要な業務も任せられるようになりました。自ら考えて取り組む力に加えて、自部署以外の様々な知識が必要だと感じています。2025年は社内外の情報に常にアンテナを張りながら勉強をして知識を増やし、日々の業務にも取り入れていきたいです。
最後に、2025年の目標を教えてください。
まずは4月の世界選手権選考会で結果を出して、世界選手権への出場をめざします。今年のナショナルチーム選考会を経て日本代表として選出されたのですが、さらにその中の上位3人が、9月に開催される世界選手権に出場することができます。世界選手権でのメダル獲得をめざすとともに、次のLA五輪へ向けて海外での競技経験を積むことが、現在の目標です。
また目先の課題克服としては、試合の少ない冬の間に体づくりに注力したいです。昨年2月に肩の怪我をしてしまったこともあり、体力面に不安がある状態です。筋力トレーニングと実射練習に計画的に取り組み、4月からのシーズンを万全の状態で迎える準備をしていきます。全国大会などの大きな大会は春から秋にかけて開催されるので、約半年間を乗り切れるように、また、春から良いパフォーマンスが出来るように、仕事の両立とも上手く向き合いながら、チャレンジしていきます。
成長を続ける安久選手から目が離せませんね。ぜひ、今後の活躍にもご注目ください。
(インタビュー実施日:2024年12月)
※掲載内容および文中記載の組織、所属、役職などの名称はすべてインタビュー実施時点のものになります。