初公開!建設進む京都福知山新工場

~未来の建設業界を担う学生たちに学びの機会を提供~

高さ17m!横幅130m!奥行95m!とにかくそのスケールの大きさに圧倒された工事中の建物は、HORIBAグループがさらなる事業の発展をめざし、京都府福知山市に建設を進めている新たな工場(以下、福知山工場)です。
世界シェア6割を誇る半導体製造装置向け製品「マスフローコントローラー(以下、MFC)」などを中心に生産が行われ、完成すれば国内におけるMFCの生産能力は最大で現在の3倍まで拡張が可能に。成長著しい半導体事業の発展性を象徴する新たな工場となり、まさにHORIBAの未来と呼ぶにふさわしい新たな拠点です。
そんな期待がかかる福知山工場の建設現場を、社会貢献活動の一環として、学生たちの校外学習の場に提供しました。

建設業界の魅力を伝えるために―

雪解けが進む2月下旬の福知山市。
見学に訪れたのは、建設業界で将来の活躍を夢見る大阪府立今宮工科高等学校(以下、今宮工科高校)建築系建築専科2年生、総勢34名の生徒たち。期待を膨らませながら、皆さん元気よく挨拶してくれました。
今宮工科高校の建築系は、設計・工事監理・工事管理といった建築技術者に必要な知識を学ぶ専門のコース。普段は教室で学ぶ生徒たちにとって、生の現場を見ることができる見学会は貴重な機会です。
今回の見学会は、今宮工科高校が福知山工場の建設を請け負う株式会社安藤・間様(以下、安藤ハザマ)に見学会を依頼したことから実現しました。
同社には今宮工科高校の学生が来春入社予定との縁から、見学会の依頼に至ったそうです。
安藤ハザマでは、建設業界への興味や理解を深めてもらう機会として、主に小中高生を対象にした現場見学会を各地で開催されています。なんと、今年度だけでも全国で70回ほど開催されているそうです。


現場で体感するからこそ伝わる魅力があります。
今回の見学会を担当された安藤ハザマ 経営戦略本部 キャリア開発部
一柳(いちやなぎ) 哲也(てつや) 採用グループ長は―

「見学会を通じて、今まで以上に建設業に興味を持っていただければ幸いです。家から一歩出れば、そこには多くの建設構造物が目に入ります。何気なく利用している施設なども、多くの人の力を結集して造り上げているということを感じていただければと思います。そして、自分もその一員になりたいという学生が一人でも増えればいいなと思っています。」




今宮工科高校からは少しばかり遠いですが、多くの人の力が集結した大規模な建設現場、そして今まさに建築の基礎となる鉄骨の「骨組み」を見ることができるため、未来の業界を支えていく学生たちの貴重な勉強の舞台にHORIBAの福知山工場が選ばれました。

教科書では学べない“ほんまもんの建設現場”

見学会では、福知山工場の概要説明を聞いたところで、骨組みとなる鉄骨をつなぐボルトの「本締(ほんじ)め」という作業を職人の方が目の前で披露しました。
最近、授業でも学んだところだったというボルトの本締め。プロの手さばき、そして作業のスピード感に生徒たちは目を輝かせながら食い入るように見ていました。

特別にボルトの本締め作業を体験した生徒は―
「実際に自分でやってみると機械もすごく重くて片手で持てなかった。プロの人達は作業が早く、改めてすごいなと思いました」

機械の重さは約5kg。手に伝わる重さや振動は教科書では学べない“ものづくり”のリアルを体験できました。
 

そして、いよいよ骨組みの内部に潜入。改めてその大きさに圧倒されました。
建築面積は約13,000㎡。少しイメージが湧きにくいですが、テニスコートで換算するとなんと約50面分の広さです!(イメージできましたか?)

見学会の当日は、およそ2/3ほどの骨組みが完成していました。外壁や内装が施されてしまえば、見ることができない建築の基礎。工場や倉庫などに用いられる構造で、この規模の骨組みを見ることができるのはとても貴重な機会だそうです。
また、天井や高所など至る所にもボルトが撃ち込まれていました。先ほど目の当たりにした「本締め」の作業が、高所でも行われているというイメージが広がり、その労力やプロの凄さを一つひとつのボルトから感じることができたと思います。
そして何よりも、この巨大な建物に、多くの方の力が集結していることを身に染みて感じました。
 

私たちHORIBAの社員も、エントランスや生産エリアとなる姿を想像しながら、広大な工場を支える骨組みが丁寧に組まれる様を目の当たりにして、感動を覚えました。
完成すると10,000㎡にもなる広大な生産ラインでは、半導体事業を牽引するMFCの自動化生産ラインや、工程間をつなぐ搬送ロボットの導入などが予定されており、自動化と効率化を促進するHORIBAでも最先端の技術を有した工場に。
そんな未来の工場の竣工予定は12月。ここから外壁や内装が仕上がっていくのが楽しみです。

見学を終えて―

見学を終えた後には、建設業界の魅力や働くうえで大切なこと、多くの方と共に仕事をするうえで心がけていることなど時間の許す限り安藤ハザマの方々に多くの質問が飛び交いました。

今宮工科高校では、「将来のスペシャリスト」としての工業技術者育成を教育方針に掲げておられます。スペシャリスト育成のためには、将来にわたり継続して技術向上の意欲を持つことが大事と考えられており、そのために生徒が自信を持てる教育を心がけているそうです。
そして、その自信を持たせるために、特に力を入れているのが資格の取得。2 年生では、国家資格である2 級建築施工管理技士補を全員が受験するそうで、令和4、5年度の合格実績は2年連続で驚異の全員合格。そのためには、現場を見ることが何より大事だと引率の荒井教諭が語ってくれました。

「学校では、写真や文字を中心とする教科書やテキストで学習を行っております。特に資格取得においては、普段実物を見ない高校生が、現場で働く社会人と同じ試験に合格することはとても難しいことです。生徒にとっては旅行パンフレットだけを見て、その旅行先について問題を出されているようなものです。やはり、本物の旅をしてこそ伝わる雰囲気が現場にはあると思います。今回の現場見学を通して、なにより「本物の建設現場」を肌で感じて欲しいです。そしてそこで働く人から、施工管理職の魅力を聞いて感じ、将来の建設業界を支えるペシャリストをめざして欲しいです。」

HORIBAが追求する「ほんまもん」のように、建設業界を担っていく「スペシャリスト」として、生徒の皆さんが技術向上の意欲を追い求め続け、人の心を揺さぶるような活躍をされることを願っています。
最後に、参加した今宮工科高等学校の生徒の皆さんに将来の夢を聞いてみました―

「商業施設や病院など大きな施設を作っていろんな人たちに役立てることができれば嬉しいです」
「皆のために、社会のために、土台を作り役立つことができたらいいなと思います」

この日、福知山工場で目にした“建築の基礎”という光景が、夢の土台になれば嬉しい限りです。
HORIBAもさらなる発展を続け、また新たな工場の建設を計画した際には、この日見学に来られた今宮工科高校の生徒たちに手掛けてもらう、そんな未来となれば素敵ですね。
HORIBAでは今後も、さまざまな取り組みを通して地域社会や次世代教育に貢献していきます。

※ほんまもん:本物(ほんもの)から派生した、京都で使われている言葉。
当社では、ほんまもんの意味を「心をこめてより良いものを追い求めつづけた先に生まれる、唯一無二の価値」と捉えています。わたしたちが目の前の仕事に向き合うときに原点となる考え方で、人の心を揺さぶる仕事をめざしています。


(インタビュー実施日:2025年2月)
※掲載内容および文中記載の組織、所属、役職などの名称はすべてインタビュー実施時点のものになります。

関連サイト

堀場エステック、京都府福知山市に新たな生産工場を建設 - HORIBA