「はかる」×「教育」 科学技術のおもしろさと夢を次世代に - 2024年度「PLIJ STEAM・探究グランプリ」を受賞

私たちは、普段の生活で「温度」や「量」、「長さ」、「重さ」、「時間」など、いろいろなものをはかっています。
なぜ、「はかる」のでしょうか? 例えば体になんとなく不調を感じたときに、体温をはかって発熱していることがわかれば、病院で診察をうけてみるなどの対策がとれます。見ただけ、触っただけでは分からないことが正確に数字で表され、「わかる」につながるのです。

HORIBAは、創業以来、科学技術や産業発展に欠かせない基礎である「はかる」技術で社会課題の解決に関わり続けています。
これから未来をつくる子どもたちにも「『はかる』ことは『わかる』につながり、『わかる』と豊かな未来に向けてとるべき行動に気づける」というメッセージを伝えたい。「はかる」ことや科学の楽しさに触れるきっかけを提供したい。そんなおもいで1994年以来30年以上、HORIBAの分析・計測装置を使ったはかる体験や実験などを通じて、子どもたちに「はかる」ことや科学の楽しさ、大切さを伝える活動を続けています。

HORIBAの次世代教育活動が2024年度「PLIJ STEAM・探究グランプリ」を受賞

このような私たちのおもいや活動を評価いただき、一般社団法人学びのイノベーション・プラットフォームが主催する2024年度「PLIJ STEAM・探究グランプリ」において、応募総数81件の中からHORIBAが第1回グランプリに選ばれました。
本賞は、STEAM教育※1や探究学習を中心とする新たな学びの推進に取り組む企業や団体などの表彰を通じて、「社会全体で新たな学びを支える」ことを目的として今回(2024年度)を1回目として設立されました。
HORIBAは、自社の分析・計測技術である「はかる」をテーマとした授業で30年以上にわたって次世代育成に長く尽力していることや、自社グループでグローバルレベルに活動目標や指標を共有して取り組んでいること、講師役の社員の人財育成でも効果をあげている点をご評価いただきました。

※1 STEAM教育:科学・技術・工学・芸術・数学の5つの分野を対象とした教育方法であり、これらの分野を統合して学ぶことで、創造力や問題解決能力を育むことを目的とする。

 

 

(左)表彰式にて左から:海洋研究開発機構 理事長 大和 裕幸様、堀場製作所 グループ戦略本部 副本部長 上杉 英太 (右)2024年度「PLIJ STEAM・探究グランプリ」の盾

「はかる」と「わかる」、そして「行動」につながる

HORIBAは、小学校への出前授業や科学イベントなどで2種類の体験型授業を実施しています。
前者は、放射温度計、光沢計、水質計など、HORIBAの分析・計測装置を用いた「はかる」体験型授業です。子どもたちが自由な発想でいろいろなものをはかり、発見や疑問、驚きを感じて、自分で次の行動を考えられるようになることをめざしています。
後者は、ものづくり(温度計)の体験型授業です。温度計をつくり、自分でつくった温度計で「はかる」体験を行うことで、ものづくりの楽しさや「はかる」おもしろさに気づいてもらえることを意識しています。

 

(左)放射温度計を使った測定体験 (右)ものづくり体験で作成する、自作の温度計

出前授業のようす。J:COM 2024年8月31日ジモトトピックス京都放送「西京区ワクワクみらいアカデミーぶんせき体験ツアー」

水環境・マイクロプラスチック問題の学びに貢献

「はかる」ことは現状を知り、行動を起こすために欠かせないこと。環境保全においても、「はかる」ことは不可欠です。HORIBAグループの水・液体計測事業を担う堀場アドバンスドテクノでは、自社の水質計を用いて海水を測定し、水をはかることで現状を理解することができ、その後にどのような行動をとるべきか考えるヒントになることに気づく狙いで体験型授業を行っています。
また、グループで受託分析事業などを担う堀場テクノサービスでは、近隣の浜辺から採取した砂に含まれるマイクロプラスチックを可視化できる簡易観察キット「ぷらウォッチ®」※2を開発し、マイクロプラスチックの観察授業を実施するとともに、教育現場で活用いただいています。

※2 「ぷらウォッチⓇ」は、株式会社堀場テクノサービスの登録商標または商標です

(左)屋外フィールドにおける水質計を用いた出前授業 (右)マイクロプラスチック簡易観察キット ぷらウォッチ

中長期経営計画・重点テーマに「はかる」×「教育」を掲げグローバルに活動

2024年からは、5か年の中長期経営計画 MLMAP2028のサステナビリティ戦略のひとつとして、はかる製品や技術を活用した教育活動を重点テーマに掲げました。
『「はかる」×「教育」 科学技術のおもしろさと夢を次世代に』をテーマに、国内外のHORIBAグループ各社と出前授業を推進しています。各拠点の活動を尊重し、各地域に即した活動を展開する一方で、参加者アンケートは共通化し、授業後に世界全社共通のアンケートを実施して、国際平均値(IEAのTIMSS※3)を参照して比較しています。
アンケート結果を参考にしながら、子どもたちにより良い影響を与えることができる活動を推進しています。

※3 国際教育到達度評価学会IEA(International Association for the Evaluation of Educational Achievement)・国際数学・理科教育動向調査 TIMSS(Trends in International Mathematics and Science Study)

(写真)ラマン分光分析装置で本物と偽物のダイヤモンドを識別(アメリカ) イギリスやフランス、韓国などのグループ会社でも、分析・計測装置や技術に触れてもらう機会を提供

子どもたちの笑顔と感想が社員の力に

STEAM教育への参加は、子どもたちだけではなく社員にも良い影響を与えています。
たとえば、普段製品をつくっているエンジニアの社員が出前授業を実施した際には、自分がいま手にしているHORIBA製品の開発者が目の前にいることに感動してくれた子どもから、「将来エンジニアになりたい!」という声があがりました。将来の理工系人財育成に貢献するとともに、子どもたちの笑顔と率直な言葉が社員・開発者のモチベーション向上につながり、社員自身と所属会社に対する誇りを育んでいます。
また、はかる技術や自社のことを子どもたちに分かりやすく伝える経験は、社員教育にもつながっています。

「はかるって楽しい!」ときらきらした好奇心いっぱいの笑顔でいろいろなものをはかり、その結果から次の行動を考える子どもたち。HORIBAはそんな子どもたちとともに、豊かな未来をつくっていきます。

皆さんと「はかる」体験ができるのを楽しみにしています!

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