「はかる」大切さ、科学のおもしろさを子どもたちに伝え、次世代の科学の発展を担う人財育成を支援

HORIBAは、1994年より学校やイベント会場にて出前授業をおこなっています。「はかることの大切さや科学の面白さを多くの子どもたちに伝えたい」というおもいから、従業員が講師となり、「はかる」と「わかる」をテーマに、HORIBAの製品を使った体験型授業を実施しています。

2023年秋に実施した出前授業をいくつか紹介します。

千葉県立現代産業科学館にて「はかる」体験イベントを実施

千葉県誕生150周年を記念して開催された令和5年度企画展「はかる」にて、子どもを対象とした測定体験イベントを実施しました。HORIBAの放射温度計、光沢計、pHメーターを使った3つのコーナーを設け、HORIBAの「はかる」技術を体験してもらいました。

離れたところの温度をマイナス50℃から500℃まで測ることができる放射温度計の測定体験では、カイロ、コップの水、コールドスプレーで冷やした机の表面の温度などをはかりました。また、色違いのTシャツの絵に光をあてると色の違いによって温度が変わることを体験した子どもたちは、どの色がいちばん高温になるかを予想しながら興味津々で温度をはかっていました。

ぴかぴか具合を数値化する光沢計の測定体験では、床、机、ガラスなどをはかりました。自らポスターや壁、金属のスタンドなど、子どもたちが「はかってみたい」物を探して動き回り、いろいろな物に装置をあてて「はかる」ことに夢中になっていました。

pHメーターの測定体験では、子どもたちにも馴染みのあるレモンの絞り汁、水道水、石鹸水などをはかりました。未就学児には一見難しそうに思われましたが、レモン=酸っぱい、石鹸=苦いなど、身近な経験を思い浮かべてもらうことで、液体のすっぱさや苦さとpHの数値の関係について考えてもらうことができました。

  

展示エリアでは、HORIBAが1950年に開発したガラス電極式pHメーターとしては国産第一号である当時の製品と現在のコンパクトpHメーター LAQUAtwinを展示し、HORIBAの歴史や「はかる」最新技術を紹介しました。さらに、グループ会社の堀場テクノサービスが開発を進めているマイクロプラスチック可視化キット「ぷらウォッチ」の展示コーナーでは、日本国内で実際に採取した砂に含まれているマイクロプラスチックを観察してもらいました。海洋環境や生物や人体への影響など、さまざまな問題を引き起こす可能性が懸念されているマイクロプラスチックの観察を通して、子どもたちだけでなく保護者のかたにも身近な環境問題について、あらためて考えていただくことができたのではないでしょうか。

 

「青少年のための科学の祭典」京都大会へ出展

11月には、第28回「青少年のための科学の祭典」京都大会に出展しました。本イベントは、21世紀を担う青少年に向け、科学に対する興味と関心を高め、その芽が根づくような環境をつくることを目的とされています。京都府・市の小中高校の教員、大学教員、科学センター職員、協賛企業や中学・高等学校などの科学関係部らが参加し、約45のブースが出展されました。

HORIBAブースで実施した放射温度計と光沢計を用いた測定体験には、多くのご家族連れに参加いただきました。初めて体験する「はかる」装置に興味津々な様子で、実験に熱心に取り組まれていました。放射温度計を使った実験では、濡れたタオルを振り回すと気化熱で温度が下がることを、光沢計を使った実験では、床の光沢度を測定し、床を数秒間ティッシュで磨いた後と磨く前で、実際に数値が変わっていることを楽しく体験していただきました。それらの装置がどのような場面で役に立っているのか?誰が喜んでくれるのか?というところまで考えてもらい、実は私たちの身近なところで活躍していることを紹介しました。

 

「はかる」ということは、人の感覚でははっきりとわからないことが数値で表され、「わかる」ということ。私たちの生活や地球環境には、HORIBAの製品をはじめ、たくさんの「はかる」技術が役立っています。私たちは、はかることの大切さを伝えることで、子どもたちが次世代の科学の発展を担う人財として活躍してくれることを期待しています。

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