HORIBAは、燃料電池自動車(FCVまたはFCEV)のパワートレイン評価から、システム適合を効率化するソリューション、加えて車両一台を試作するエンジニアリングサービスまで、幅広い技術でお客様の開発・製造を支援します。
FCVは、燃料電池システムで水素(H2)を電気に変換し、モーターを動かして走行します。水素燃料電池は、最も有望なゼロエミッション・グリーンテクノロジーの一つであり、燃料の化学エネルギーを電気エネルギーに変換する効率は最大で60%と、燃焼式エンジンに比べて多くの利点があります。FCVの開発においては、動力源である燃料電池の性能を最適化し、パワートレインシステムに安全に組み込む必要があります。FCVの開発においては、燃料電池・モーターなどのコンポーネントからパワートレイン・完成車両に至るまで、高度な一連の評価システムが必要なだけでなく、適切かつ効率的なFCV評価を行う必要があります。
目次
カーボンニュートラル社会の実現に向け、各国とも自動車の電動化に向けた取り組みを強化していますが、特に日本が先行するFCVではすばやい出力応答など、燃料電池スタックを構成する部品や材料に求められる要求も高くなってきています。さらに、燃料電池の高効率化や劣化抑制のため燃料電池スタックの温度制御も重要な課題です。また、欧米や中国では、商用車向けでの活用が有力視されており、燃料電池システムの高い耐久性が求められます。
Viritechは、水素をベースとする様々なモビリティを開発するイギリスのスタートアップ企業です。Viritechは、最新の自動車技術を開発する欧州有数のモビリティ研究開発拠点であるMIRAテクノロジーパークに居を構え、HORIBA MIRAによる包括的なエンジニアリング・コンサルティング支援のもと、水素ハイパーカー「Apricale™」の開発を進めていきます。
詳細:プレスリリース「Viritech社の水素ハイパーカーApricale™、MIRAテクノロジーパークで開発へ」
燃料電池評価装置 Evaluator シリーズは、モビリティ向け燃料電池セル、スタック、システムの試験・評価に最適な評価装置です。性能評価に加え、耐久性評価や劣化加速試験などを高い安全性にもとづいて実施します。
Evaluator シリーズは、燃料電池セル・スタックの挙動を解析し、燃料電池システム設計を最適化します。さらに、HiLS(Hardware-in-the-Loop Simulation)により、燃料電池システムの負荷影響をシミュレートできます。
特にFCV開発においては、HORIBAが持つパワートレイン・ドライブライン開発に関する長年の知見と、HORIBA FuelConの車載向け燃料電池に関する包括的な専門知識をもとに、小型・大型FCVパワートレイン開発用テスト環境の構築も可能です。詳しくは、「ターンキーソリューションとリスクアセスメント」をご覧ください。
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燃料電池評価装置 Evaluator シリーズ
FCV用水素の純度はISO 14687-2で99.97%以上と定められており、オンサイト水素ステーションで都市ガスを改質して水素を精製する場合、水素中に含まれる不純物を定期的に計測する必要があります。
HORIBAはリアルタイムで水素中の不純物ガス(CO、CO2、硫黄成分など)を計測や監視する装置で、オンサイト水素ステーションにおけるFCV用の高品質な水素製造に貢献します。
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FCV用水素燃料製造に伴う不純物監視
また実路試験の効率化アプリケーションとして、HORIBA独自の「RDE+(プラス)」をご提案します。RDE+は、FCVを含む様々な車両の実路試験を、シャシテストセルなどの台上で、もしくはバーチャルで再現することで、車両モデル・実機のRDE設計、開発、検証・評価をフロントローディングします。車両開発プロセスの最適化・高効率化をサポートします。
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実路試験の台上化アプリケーション 「RDE+」
HORIBA MIRAは、エネルギー効率の高い電気自動車やハイブリッド車、製品、システムを市場に送り出すためのエンジニアリングサービスを提供しています。当社は、専門的なスキルセットとツールを用いて車両の設計、開発、検証をサポートする経験を持ち、開発サイクル全体のコスト、リスク、時間を最小限に抑えるお手伝いをします。
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自動車電動化開発をサポートし電動化市場への参入を加速:電動化/エネルギーマネージメント
水素を取り扱う試験棟の立ち上げにおいては、従来よりもより厳密な安全対策が必要とされます。
実験棟施工のトータルパッケージであるターンキーソリューションでは、複数業者への発注、仕様決定に至るまでの打ち合わせ、建築の安全・工程・品質管理、さらに導入後の運用・メンテナンスや作業の高効率化まで、安全性と使いやすさを重視しながら、試験室運用開始の直前まで忙しいお客様にかわりHORIBAが一括で施工を承ります。
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ターンキーマネジメント
HORIBAグループで分析・サービス事業を担う株式会社堀場テクノサービスでは、分析を主要な業務とする「Analytical Solution Plaza」を京都・東京に設置しています。
特に京都では、HORIBA FuelCon社製「Evaluator CT-50」を導入した「Energy Test Cell」と呼ばれる専用の試験室を新たに設置し、燃料電池(SOFC)、水電解(SOEC)の単セルの評価から、メタネーションや触媒の評価まで、また製品のデモンストレーションから受託分析までご提案できます。
お気軽にご相談ください。
バッテリや水素を取り扱う試験棟の立ち上げにおいて、その安全対策は、通常の試験設備とは全く違う観点で行う必要があります。
HORIBA独自の新たなリスクアセスメント手法では、「4つの視点(物理的接触・エネルギー伝達・情報通信・物質移動)」でシステム間の関係性を分類することで、リスクを漏れなく洗い出し・対策するとともに、コストと時間を極小化しながら安心・安全を担保します。