水素エネルギー製造・利用

水素・アンモニアなどを媒体とするエネルギーの製造・利用に役立つ、HORIBA独自の幅広い「はかる」技術
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去る2026年3月17日(火)~19日(木)東京ビッグサイトで開催された「スマートエネルギーWEEK2026」では、「H2&FC EXPO」や「BATTERY JAPAN」に多くの来場がありました。海外からも、「PV EXPO」で存在感を示す中国を中心に、ドイツなども例年同様に多数のブースが出展していました。東京ビッグサイト全ホールを使った大規模展示会でもあり、膨大な展示を漏らさず巡るべくメモを片手に足早に目的のブースへ向かう来場者の姿も多く見受けられました。自社製品や課題解決技術を訴求する中小の日本メーカーの出展も増加しており、カーボンニュートラル社会の実現に向けた自社ブランド価値の向上だけでなく、商談を目的とした展示会へと変容してきた印象です。
HORIBAは当エリアに長年にわたり出展しており、その定点観測から得られた展示会全体の傾向に対する気づきは、かつての「燃料電池自動車の早期実現」に向けた製品展示から、近年では水電解など水素を「つくる・ためる・はこぶ」ための技術展示へと重点が移りつつあることです。当社ブースでも水電解向けの 安定した水蒸気発生装置 に技術的な関心が寄せられ、お立ち寄りいただいたお客様と当社エンジニアがじっくりと議論する場面も見られました。 カーボンニュートラル社会の実現に向けた社会動向は紆余曲折もありますが、少しずつ、着実に前進しています。HORIBAはこれからも「はかる」の揺るぎないパートナーとして、お客様の様々な挑戦や課題解決に役立てる技術開発・ソリューション提案に全方位で取り組んでまいります。
NEDOの委託事業「水素利用拡大に向けた共通基盤強化のための研究開発事業」の一環として、東京大学などと共同開発を進める、燃料電池の触媒層の製造プロセスを最適化する自動実験・自律探索システム(ROPES)の技術をご紹介しました。ロボットとAIを活用し、生産技術開発を大幅に効率化できる点が特長です。
会場では稼働中の装置をご覧いただき、複数の装置・ソフトウェアを統合する独自のインテグレーション技術に関心が集まりました。
自動車・バッテリー試験設備や半導体クリーンルームなどの実証設備も備える HORIBAの新たな取り組みとして、独自のエネルギー需要予測に基づく省エネ技術や、開発環境を高度化するラボオーケストレーション技術を紹介・提案しました。
ラボ / クリーンルームなどエネルギー負荷の変動が大きい設備を対象に、稼働状況の見える化、需要要因のパターン化、設備間の連携による自動制御を組み合わせたエネルギーマネジメントにより、省エネの実現を支援します。バイオリアクターにおいては、pH・電気伝導率やガス供給量(CO2 / N2 / O2 / Air)の同時管理により、培地の追加・交換タイミングの標準化や生産レベルへのスケールアップに有効なデータを取得できる点に、注目が集まりました。
素材分析から車両搭載時の挙動解析まで、高性能で安全なバッテリーの研究開発・品質管理に役立つ「はかる」ソリューションを提案しました。
<出展製品(一例)>
▶ 微小部 X線分析装置 XGT-9000 シリーズ
電池材料中の数十μmの異物の元素同定が可能。異物などの混入ルートを特定し、セル品質向上と安全性確保に貢献します。
▶ ラマンイメージング装置 LabRAM Soleil
電池材料の化学組成や結晶構造を高解像度で可視化。正極・負極や電解質の相変化や劣化を解析し、材料設計や劣化評価、QCの効率化・精度向上に役立ちます。
CO2回収・利活用やカーボンニュートラル燃料の研究開発から実用化まで、幅広い「はかる」技術と統合実験環境の構築を提案しました。
<出展製品(一例)>
▶ プロセスラマン分析計 PI-200-L(※英語ページが開きます)
バイオ燃料をはじめとした新燃料生産プロセス時の原料・中間体・最終製品の比率をリアルタイムでモニタリング。最適なプロセス管理と安全な計測環境の構築を支援します。
▶ CO2吸脱着評価装置 CCEVA
合成燃料の原料となるCO2回収・利活用技術に向け、CO2吸着・分離材料の性能や耐久性を多角的に評価。R&Dから実証・実用化までを見据え、圧力・流量制御を含む再現性の高い自動計測環境の構築を提案します。
▶ オンライン多項目水質測定装置 UV500
新燃料生産プロセスにおける水質管理に最適なオンライン多項目水質測定装置。
UV吸光や蛍光を利用し、測定水中の有機物やPAHの測定が可能です。
複数項目を同時に測定が可能なだけでなく、自動洗浄・校正機能を有し、長期安定稼働と低メンテナンスを実現します。
<ブースで寄せられたお問い合わせ>
問.CO2吸着剤で、「再現性が良いデータで性能比較がしたい」「最適な交換時期を判断したい」
答.高い再現性の試験ができ、材質の違いによる吸脱着性能の比較、吸着剤の容量や再生能力、繰返し特性などを正確に評価ができ、開発判断を早められます。
問.バイオエタノール等の製造工程で、「工程中の成分組成を見たい」「リアルタイムで制御したい」
答.工程中の成分組成をインラインでリアルタイムに計測し、フィードバック制御や早期の異常検知が可能となり、品質の安定化・歩留り向上が期待できます。
ガス流量・圧力・湿度制御などのコアモジュールから、燃料電池 / 水電解、CO2 吸脱着剤、触媒反応などの評価システムまで、お客様に最適な試験環境を提供します。
<出展製品(一例)>
▶ 高温デジタルマスフローコントローラー SEC-8000シリーズ
合成水素・燃料電池評価に欠かせない高温対応デジタル流量制御モジュール。最大120 ℃までの環境下で高精度・高速応答のガス流量制御が可能で、試験条件に合わせたシステム構築に貢献します。
燃料電池 / 水電解の研究開発と生産プロセスをつなぐ材料組成・状態変化のインライン / オンライン分析・評価システムを提案しました。
<出展製品(一例)>
▶ 燃料電池触媒の塗布・乾燥プロセスの自動実験・自律探索装置 (※東京大学のページが開きます)
産学官連携の取り組みとして展示します。
燃料電池の迅速な生産プロセス条件出しに向け、塗布・乾燥・評価を自動化します。プロセスインフォマティクスを活用することで省人化しつつ、最適なプロセス条件を効率的に導き出します。
▶ レーザー回折・動的画像式 粒子径・形状解析装置 Partica
燃料電池・水電解など製造プロセスで求められる材料の粒子径分布と形状を同時に取得。
スラリー状態での分析が可能で、希釈していない実際の粒子状態を観察できます。
▶ CCM / MEA 触媒塗布プロセスモニター XV-100
燃料電池・水電解セル製造において、触媒の塗布量をインラインで高精度かつリアルタイムに計測することで、
貴金属触媒の塗布量を適切に管理し、歩留まり向上と材料コスト低減に貢献します。
燃料電池・水電解の素材~セル、スタック~システムの、運転条件(ガス・液体の供給 / 温調 / 調質など)を広範囲に制御し、電気化学特性や性能 / 耐久性を定量評価できます。
<出展製品(一例)>※展示パネルでご案内
▶ PEM形燃料電池評価装置 C05-LT
固体高分子形燃料電池セルの研究開発に最適な、精度と再現性を兼ね備えたコンパクトかつ多機能なオールインワン設計の装置です。ガス温度(最大130℃)、圧力 / 流量を高精度に制御でき、燃料電池セル(最大100W)の材料評価、触媒や電解質膜の開発などに活用できます。
▶ PEM / AEM形水電解セル評価装置
AEM形水電解(AEMWE)における、素材~セル / スタックの評価装置です。アニオン導電性、気体透過特性、貴金属フリー触媒、アルカリ安定性などの課題に関する指標を定量評価することができます。水電解だけでなく、CO2電解への対応も可能です。
▶ PEM形燃料電池評価装置 Evaluator S25-LT
固体高分子形燃料電池のショートスタック向けの評価装置です。スタック出力10kW~50kW級、ガス温度 最大130℃にて、幅広い圧力 / 流量制御のもとで高精度に評価できます。フルスタック評価にはS100 / S200-LT、システム評価にはS200X-LTが最適です。
<ブースで寄せられたお問い合わせ>
問.燃料電池触媒に使用する貴金属(Pt,Ir)量を制御し、「コストダウンしたい」「歩留を上げたい」
答.貴金属塗布量を高感度・非破壊で連続計測でき、最適な貴金属の塗布量で安定した生産に貢献します。
問.水電解時(PEM / AEM)の「電解液・ガス・水質の状態を把握したい」「濃度・循環条件を明確に定義したい」
答.水質計測・ガス分析を組み合わせ、電解液の循環・濃度制御の解析に必要な周辺データを同時に取得し、水電解評価試験の安定した自動運転と再現性向上に繋げられます。
各展示パネル内容に関連するHORIBAの最先端計測・制御ソリューションを、技術ポイントや事例・データ紹介を交えて詳しくご紹介しました。
セミナーテーマ(抜粋)
・省エネを「仕組み」で実現~エネルギーマネジメント手法
・最適な材料で最適なFC/ECを~新材料の多角的分析アプローチ
・PEM / AEM水電解開発を加速~再現性の高い評価ソリューション評価ソリューション
当セミナーの詳細は、ページ下部のお問い合わせフォームよりお気軽にお寄せください。
「H2&FC EXPO 2026」HORIBAブース内技術セミナーの様子
HORIBAブースでは、サステナビリティに貢献する製品のご紹介や、環境に配慮した運営・展示の取り組みなどを実施しています。
すべてのステークホルダーの皆様の立場を尊重し、優れた製品・サービスの提供を通じて持続可能な社会や豊かな未来の構築に貢献するためのCSR活動を推進します。そのため実効ある社内体制の整備を行うとともに、法令・定款その他の社会的規範を遵守し企業倫理の徹底を図ります。


