エネルギーマネジメントシステム(EMS)

HORIBAは研究開発施設向けに特化したEMSを開発・提供することでエネルギーマネジメントを推進し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。

エネルギーマネジメントは、工場やビルなどの施設や地域全体におけるエネルギー使用状況を見える化などで把握し、最適なエネルギー利用を実現するための活動です。
これらの活動を支援するのが、EMS(エネルギーマネジメントシステム)です。EMSによってエネルギー使用状況の見える化にはじまり、管理・分析・制御を含めた総合的なエネルギーマネジメントが可能となります。

目次

  1. 研究開発の現場を想定したエネルギー消費状況の見える化
  2. 最新の技術動向に適合するアップデート
  3. データの検証・蓄積を通じたエネルギーマネジメントシステムの構築
  4. 両者の交流による人材育成
  1. エネルギーマネジメントシステムの構築と事業化【目標:2025年】
  2. サイバー空間上のシミュレーションへの発展【目標:2025年以降】

研究・開発施設のエネルギーマネジメントの課題

研究・開発施設のエネルギー使用状況は、頻繁に発生する研究開発の実験内容や開発スケジュールの変更により影響を受けやすく、定常的なエネルギー使用を中心とした工場やオフィスでとは異なった非定常な設備稼働に最適化されたエネルギーマネジメントが必要です。
例えばHORIBAの各研究開発施設においても同じ課題があります。


非定常稼働を伴う研究・開発施設のエネルギー見える化

カーボンニュートラルの実現に向けては、電力や、発電時に発生する熱も含めたすべてのエネルギーを最適に利用するマネジメントシステムの変革が求められており、なかでも研究開発施設は、オフィスや工場など定常的に稼働する施設と異なり、非定常に実施する試験や実験の複雑化・多様化によって、エネルギー使用の見える化・平準化・最適化に課題があります。

HORIBAはこうした課題の解決に取り組むため、2022年4月1日に東京大学大学院工学系研究科と「環境調和型エネルギーシステム社会連携講座」を開設しました。

この講座では、東京大学が世界に誇る「予測・診断技術(AI)」と、系統の安定性を考慮した機器制御技術や、研究開発設備とその計測ビックデータを監視するプラットフォーム技術に強みを持つHORIBAの強みを融合することで、イノベーションを起こし、最適なエネルギーマネジメントシステム(EMS)を構築し、事業として社会実装化することをめざしていきます。


将来的には、仮想空間上でソフトウェアを用いたエネルギー利用のシミュレーションを行い、研究開発施設の建設における前段階から最適な設備提案を行うシステムの開発もめざします。


具体的な取り組み

1. 研究開発の現場を想定したエネルギー消費状況の見える化

バッテリーや燃料電池、内燃機関といったユニット単体から完成車に至るまで、複合的な試験を行うことができるHORIBAの自動車試験設備「E-LAB」は、自動車の研究開発現場を想定した最適な「実験場」の資質を備えています。「E-LAB」内の分析・計測装置および付帯設備の計測データを一括管理するHORIBAのデータマネジメントシステム「STARS Enterprise」と、東京大学の予測技術を掛け合わせ、CO2排出量や電力使用量、設備発熱量などのデータを効率よく「見える化」します。

2. 最新の技術動向に適合するアップデート

電力系統への供給源としての対応

電力の取り引きを行う需給調整市場において、需給を一致させるために必要な電力である「調整力」は、応動時間(指定した出力値へ達するまでに要する時間)の短縮化が求められています。本システムのエネルギー最適利用によって生まれる余剰電力を、電力系統における「調整力」として活用することも念頭に、電力市場の進化へフレキシブルに対応する拡張性強化に取り組みます。

【開発する要素技術】  

  • 太陽光発電の出力や設備稼働のエネルギー需要における予測技術の高度化
  • 蓄電機能の特性把握

 

水素社会の実現に向けた分析・計測ニーズへの対応

E-LAB」の設備を活用・拡充し、水素エンジンや、水電解による水素製造など、カーボンニュートラル実現に向けた最新技術の分析・計測ニーズに対応。対象範囲を拡大した実証実験を推進します。

3. データの検証・蓄積を通じたエネルギーマネジメントシステムの構築

上記を通じて蓄積した実験データを総括し、研究開発施設でのあらゆる稼働状況に対応した、最適な電力供給や排熱の再利用などを行うエネルギーマネジメントシステム構築へと繋げます。

4. 両者の交流による人材育成

共同研究を通じた継続的な交流により、エネルギーマネジメントに関する研究開発をリードし、次世代を担う高度人材を育成します。さらに蓄積したノウハウを役立て、新たな産学連携などへ繋げることで「智慧」の輪を拡げ、持続的な技術革新へ発展させていきます。


当社会連携講座のゴール

1. エネルギーマネジメントシステムの構築と事業化【目標:2025年】

本講座で構築したエネルギーマネジメントシステムを事業化し、自動車をはじめとする産業界の研究開発施設へと幅広く展開。CO2をはじめとした温室効果ガス(GHG)の排出を最小化した研究開発環境を提案します。

2. サイバー空間上のシミュレーションへの発展【目標:2025年以降】

1で確立したシステムを応用し、仮想空間上でソフトウェアのみを用いたエネルギー利用のシミュレーションを可能とする機能へと進化。研究開発施設の建設における前段階から最適な設備提案を行うサイバーフィジカルシステム(CPS)として、より発展的なビジネスへと展開します。

「環境調和型エネルギーシステム社会連携講座」の概要

代表教員:東京大学大学院工学系研究科 熊田 亜紀子 教授
設置期間:2022年4月1日から2025年3月31日(3カ年間)


環境負荷評価(LCAとGHGプロトコル)

サプライチェーン全体におけるGHG排出量の削減にも、HORIBAの「はかる」技術が貢献

蓄電池製造・バッテリーリサイクル

粉から製品、そしてまた粉へ、バッテリーの開発からリサイクルまでHORIBAの高度な分析装置と分析ノウハウがサポート

自動化・省人化

多層化するお客様の「はかる」業務をコスト・工数面からサポートするHORIBAの新しいサービスやDX

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カーボンニュートラル社会実現に向けた各国の動き・ニーズ・戦略・技術的期待

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水素・カーボンニュートラル社会の実現に貢献する「はかる」技術

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