小型細胞外小胞（sEV）の定量法開発におけるsEV粒子の個数濃度計測

小型細胞外小胞（small Extracellular Vesicles: sEV）は、エクソソームといった、細胞から放出される核を持たない脂質二重膜で囲まれた粒子で、生物活性代謝産物を含み、細胞間の情報伝達の機能を担っています。sEVは体内の生物学的・病理的な機能を調節し、循環するsEV量は特定の疾患の進行と相関があることが報告されています。そのためsEVの産生を制御できる低分子化合物は、sEVの機能解明や新たな治療薬として期待されています。これまでsEVの定量には超遠心やクロマトグラフィーといった時間のかかる精製工程が必要であり、迅速かつ高感度なsEVの定量法が望まれています。

本アプリケーションノートでは、sEVの定量法の開発におけるsEV粒子の個数濃度計測にナノ粒子径分布・濃度測定装置が用いられた事例を紹介するとともに、sEVの産生を制御できる低分子化合物をスクリーニングした結果を示します。