ラマン分光装置は大気圧環境下・非接触での分析が可能なので、他の様々分析装置との整合性が高い装置です。 ラマン分光分析で得ることができる情報だけでなく、プラスαの情報を得たい場合、下記のような複合分析が可能です。 はじめてラマン分光装置を使用される方はもちろんのこと、現在ラマン分光装置をお使いの方にも新しい分析アプローチを提案します。
ラマン分光法は、非接触、前処理不要で分析・同定を行う優れた手法である一方、多種類の化合物が混在する試料の測定ではスペクトルが重なり、解析が困難になります。HPLC で試料中の成分を分離してからスペクトルを測定することで、混合試料の同定をより正確に実施します。 また、異性体やUV 吸収のない成分などLC 検出器では検出が困難な化合物へのラマン分光法の適用で、HPLC 分析にも新たな可能性が広がります。
ナノスケール領域の物質表面の物理的特性を評価できるAFMと、分子構造や化学組成 を分析できるラマン分光法を融合し、表面形状、接触電位差、静電容量、結晶性、応力、定性分析を試料を移動せず実現可能です。 またカーボン系材料であればTERS*現象を活用し、ナノメートルオーダの空間分解能でラマンイメージングが可能です。
*TERS : Tip-Enhanced Raman Spectroscopy (チップ増強ラマン分光)
グラフェンのAFMラマン装置を用いたイメージングデータ
半導体材料は非破壊・非接触による分析が必須ですが、シリコン半導体や化合物半導体(ワイドギャップ半導体からナローギャップ半導体まで)、2Dマテリアルのラマンによる応力や結晶性の評価に合わせて、フォトルミネッセンスによる組成、欠陥、量子井戸、不純物などの評価が行えます。
PET フィルムの DSC 曲線と各温度におけるラマンスペクトルを示しました。 フィルムの延伸方向と 幅手方向の偏光ラマンスペクトルは、温度によってピークの形が変化していく様子が分かります。 各ピークの大きさから配向性を定量的に評価することも可能です。
◉ データご提供:株式会社東レリサーチセンター様
株式会社東レリサーチセンター様と共同でDSCとラマン分光の同時測定が可能な新規手法を開発
詳細は東レリサーチセンター様ウェブサイトをご覧ください。
光ファイバを用いてラマン分光装置と走査電子顕微鏡をカップリングし、電子顕微鏡内の試料の様々な情報が入手可能です。 既設のラマン顕微鏡をアップグレード可能で、PLおよびCL測定も可能にします。
LC-Raman システム 専用ソフトウェア LiChRa™
原子間力顕微鏡(AFM)-ラマン分光統合装置