プラスチックや紙といった包装に使われる材料は、酸素や二酸化炭素といった気体や湿気、匂いを透過します。これらの透過は中にある飲食品などを劣化させてしまいます。よって包装材料の表面には気体等の透過を防ぐために、酸化膜などのバリア層が付けられています。バリア層の品質は中の飲食品の状態に大きな影響を与えるため、その評価は重要になります。分光エリプソメーターはこのバリア層の評価に有効な装置です。今回は分光エリプソメーターUVISELシリーズを成膜装置に組み込み、PETフィルム上のバリア膜をインラインで評価しました。測定波長範囲にはPETの裏面反射の影響を受けない深紫外の領域を使いました。この結果、バリア膜の膜厚と光学定数(n-k)を求めることができました。また得られたデータを成膜装置にフィードバックし、成膜プロセスを制御することができます。