通常、レーザ回折/散乱式の粒子径分布測定装置で測定する場合には、試料を十分に希釈しなければなりません。しかし、原液が高濃度の材料の場合、高濃度での分散状態を見たいにも関わらず、大きく希釈することによる分散状態の変化が懸念されます。
分散剤の濃度やpHと密接に関わる分散性を正しく評価するには、なるべく高濃度、できれば原液状態での測定が理想的です。
トナーの粒子径分布は、プリント後の光沢度、馴染み具合にも影響を及ぼすことから、コピー機やプリンタの製品開発と印刷技術の進歩に粒子径管理が欠かせなくなっていますが、「希釈」することにより、原液状態での粒子径分布から実際の試料状態は変化してしまう可能性があります。
高濃度セルを用いて、希釈せずに原液の状態で測定することによって、初めて凝集状態を確認することができました。
高濃度・低粘度セル | 高濃度・高粘度セル(ペーストセル) | |
試料粘度 | 低粘度~中粘度 | 中粘度~高粘度 |
光路長 | スペーサで正確に設定可能 1~500um | マイクロメータで調整可能 |
代表アプリケーション | 濃度依存性の測定 | 磁性粒子の測定 |
光路長を変化させることで、濃度を振って試料の測定が可能です。希釈倍率ごとの凝集状態の解析ができ、凝集性の分析が行えます。 | 高粘度のシリコンオイルに磁性粒子を練り混ぜることによって、凝集を強制的に剥がすことができます。この状態で測定することにより、一次粒子の粒子径測定が可能です。 |
原液(希釈なし)または原液に近い状態で測定できます。さまざまな試料濃度での測定も可能です。
原液(希釈なし)または原液に近い状態で測定できます。
原液(希釈なし)または原液に近い状態で測定できます。さまざまな試料濃度での測定も可能です。
原液(希釈なし)または高粘度溶媒に分散させた試料を測定できます。