蛍光分析は、先端材料、半導体、エネルギー、環境、バイオライフサイエンスなど、幅広い分野の研究開発に活用できる分析技術です。より多くの方々に蛍光分析を活用していただきたいという思いから、「蛍光実践講座:FluoroSchool」を開講します。本講座では、蛍光分析が特に活用されている分野の中から、光触媒、有機EL、太陽電池の研究開発に携わる専門家を講師としてお迎えします。広島大学の石谷先生、京都大学の若宮先生、理化学研究所の夫先生に、それぞれの分野における最先端のアプリケーション事例や、そこで用いられている測定・解析手法について、基礎からご紹介いただきます。また、弊社からは、装置を最大限に活用していただくための蛍光測定のノウハウや、お客様から特にご要望の多い測定事例についてご紹介します。蛍光分光分析に携わっている方はもちろん、これから使ってみようとお考えの方も、ぜひご参加ください。
地球温暖化や化石資源の枯渇の問題を解決する技術として、太陽光をエネルギーとするCO2還元資源化技術が注目を浴びている。その中で、発光性金属錯体は光を吸収し、還元剤からCO2還元触媒へと電子を移動させる重要な役割(レドックス光増感機能)を果たす。従って、CO2光触媒還元反応の研究においては、還元剤共存下において金属錯体光増感剤からのリン光(Cuなどの比較的軽い金属錯体の場合は蛍光)の強度と寿命を測定することにより、光触媒反応の初期過程を定量的に明らかにすることができる。本講演では、この過程を含め、金属錯体を中核としたCO2光触媒還元反応に関する我々の成果を紹介する。
広島大学 大学院先進理工系科学研究科 特任教授 石谷 治 先生
ペロブスカイト太陽電池が、塗って作製できる次世代太陽電池として注目を集めている。本講演では、材料化学の観点から、ペロブスカイト太陽電池の基礎から最新の成果までを概説する。また、大学発スタートアップ(株)エネコートテクノロジーズの例を含めて、実用化に向けた開発動向についても紹介する。
京都大学 化学研究所 教授 (株)エネコートテクノロジーズ
共同創業者 最高技術顧問 若宮 淳志 先生
有機分子の光励起状態は、分子構造、化学組成、集合状態により変化する。(閉殻分子での)励起状態は、主に一重項または三重項の二つのスピン多重度を取るが、それら状態間または基底状態との状態間遷移は、発光現象にとって非常に重要である。有機ELや有機太陽電池の高性能化に関連する最新の研究成果を紹介する。
理化学研究所 創発物性科学研究センター・チームディレクター 夫 勇進 先生
発光スペクトルや寿命は、半導体材料のバンドギャップやキャリア寿命を知る手法として広く活用されるが、測り方が結果を歪める場合がある。本講演では、GaNやペロブスカイトについて『励起発光マトリクス』及び『時間分解発光スペクトル』といった応用的技法を適用した事例、及び測定の落とし穴に関する事例の紹介を旨とする。
株式会社堀場テクノサービス 分析技術本部 分析技術部 分光分析チーム 北川 雄一
10:00 | 受付開始 | |
10:30~10:35 | ご案内・ご挨拶 | |
10:35~11:35 | 【招待講演】発光性金属錯体をレドックス光増感剤として用いるCO2光触媒還元反応 広島大学 大学院先進理工系科学研究科特任教授 石谷 治 先生 | |
11:35~12:35 | 【招待講演】ペロブスカイト太陽電池の開発研究最前線(学術研究から実用化まで) 京都大学 化学研究所 教授 (株)エネコートテクノロジーズ 共同創業者 最高技術顧問 若宮 淳志 先生 | |
12:35~12:45 | 休憩 | |
12:45~13:05 | HORIBAランチョンセミナー(会場受講の方は弊社にてお弁当を用意いたします。) |
13:15~14:15 | 【招待講演】有機分子の光励起状態を制御する 理化学研究所 創発物性科学研究センター・チームディレクター 夫 勇進 先生 | |
14:15~14:55 | 【講演】定常および時間分解発光分光の応用技法による半導体発光の測定事例:条件最適化の重要性とその工夫 株式会社堀場テクノサービス 分析技術本部 分析技術部 分光分析チーム 北川 雄一 | |
14:55~ 15:00 | ご案内 (オンライン受講につきましては、以上で終了とさせていただきます) | |
15:00~ 15:15 | 休憩 | |
15:15~ 16:30 | ラボツアー | |
16:30~ 17:45 | 意見交換会 |