単波長(レーザー)エリプソメトリーは半世紀以上前から、半導体業界と光学コーティングを中心に用いられてきました。約30年前からは分光エリプソメトリーに変わり始めたことで、ディスプレイ、エネルギー、新規材料、化学、金属などさまざまな分野へ広がりを見せています。
エリプソメトリーは、半導体業界においてトランジスタのゲート絶縁膜やフォトレジストの測定に用いられてきました。21世紀に入るとSiだけでなく、SiGe、Ge、化合物半導体(GaAs, GaN, SiCなど)をベースとした光・通信・パワーデバイスなどの評価にも広く使われています。
用途/サンプル | わかること |
Si 半導体 絶縁膜、High-k膜、Low-k膜、レジスト、 SiGe薄膜、強誘電体、SOIなど |
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化合物半導体 LED、LD、HEMT、IGBTなど |
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20世紀終わりから、分光エリプソメトリーはフラットパネルディスプレイ(FPD)業界で使用され始めてきました。近年では全自動、In-lineを含め、多層膜構造の膜厚や材料の光学定数、劣化、異方性などの一般的な評価手法となりました。これらの評価はガラス基板上だけでなく、フレキシブルディスプレイなどのフィルム基材上でも可能です。
用途/サンプル | わかること |
ディスプレイ(FPD) TFT、有機EL、フレキシブルディスプレイなど |
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エネルギー分野には、太陽電池、二次電池、パワーデバイス、照明などが含まれています。半世紀近く前では、エリプソメトリーがGaAsやSiの太陽電池評価に使われていました。近年では有機薄膜や色素増感太陽電池に加え、照明やパワーデバイス、二次電池の評価まで広がりを見せています。
用途/サンプル | わかること |
エネルギー 太陽電池、二次電池、パワーデバイス、照明など |
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近年では、新規材料、金属、化学、バイオ・ライフサイエンスの用途において、物性や光学特性評価などに用いられています。
バイオ分野 | 鉄鋼分野 | 化学分野 |
単分子膜の評価など | 金属表面の防腐剤や、 ダイヤモンドライクカーボン (Diamond-Like Carbon: DLC) などのハードコーティングの 測定など | PETボトルの内面にある バリアコーティングの評価など |